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レミリア12 新ろだ2-216(フランドール 新ろだ2-212から続き) 「それでね、〇〇にわたしがご飯を作ってあげたんだ でもその時はお塩とお砂糖を間違えて酷い味になっちゃってたのに、凄い勢いで食べてくれて 『うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ』なんて言いだすんだよ」 「ふうん」 「他にも、魚のフライにソースをかけてあげようと思ったら、ふたが外れて全部かけちゃって わたしが泣きそうになってたら 『こういうの好きだなシンプルで ソースの味って男のコだよな』 って言って、全部食べちゃったの。やっぱり〇〇、とっても優しいんだぁ」 「そう」 今日は、近くに住むようになった〇〇と妹が来ている日 今まで感情をあまり見せなかったフランが、誰よりも幸せそうに微笑んでいる それは祝福すべき事だって、私にもわかってる それでも、妹が幸せそうに〇〇とのことを話すたびに、私の胸は針で突かれたように痛んでしまう だから、内心の動揺を抑えるために、あえてそっけない受け答えをする事しか私にはできない 姉失格だ そんなふうに思っても、この子にだけは知られてはならない 私も、妹と同じ人を愛してしまったなんて 「どうしたの、具合が悪いの? さっきからずっと顔を伏せてるし、わたしのお話も聞いてくれてないし」 「……ごめんね。私、ちょっと疲れてるのかもしれないわ。執務やいろいろと仕事があったし」 「そう? それじゃわたしは〇〇のとこに戻るね」 そう、〇〇の隣に戻る権利があるのは、二人で永遠の愛を誓い合ったフランだけ ――――私じゃ ない どんなに愛しても、恋焦がれても、全ては遅かった 私が〇〇を好きになったとき、既に〇〇の心はフランに奪われていた 妹との結婚を許してもらうため、私に毎日毎日半死半生にされながら、〇〇は諦めずになんと100日も通い続けた 吸血鬼とは人に忌まれ、畏怖され、唾棄される存在のはずなのに、その吸血鬼の少女を命がけで求め続けた そんな〇〇は私にはまぶしくて、憧れた 吸血鬼の私でも、誰かを愛してもいいんだって そんなふうに言われた気がした でも、私が愛した男だけは、私が唯一愛してはいけない人だった 「……お姉さま、泣いてるの?」 「そんなわけないでしょ。見間違いよ。それより〇〇は何をしているのよ?」 「パチュリーのところで結界のお勉強だって。万一わたしが暴走したら、夫である自分が止めるんだって言ってくれたんだ」 「…………そう」 まただ また、胸が痛い、せつない、悲しい、泣き出したい、心が痛い いつもあの男の行動の中心には、フランがいる 楽しい振る舞いも、頑張りも、無茶も、みんなフランのため 私を見て 私を求めて 私を抱きしめて 私を愛して 何度も、一人で叫んだ言葉が溢れそうになる ……けれど、それだけは駄目 フランも、私に負けないくらい〇〇を愛してる 〇〇もそれと同じくらいにフランを愛していることが分かってるから そして、私もたった一人の妹には、ほんとうに幸せになってほしいから 「どうしたの? 〇〇のところに行かないの?」 「わたし、今までずーっと独りぼっちで生きてきたよね。ほとんど監禁状態で、誰にも会えないまま」 「……申しわけないとは思ってるわ。けれど、あれは必要な事だったのよ。あなたの力が暴走したら、本当に大変な事になる」 「分かってる。お姉さまに謝って欲しいわけじゃないし、責めるわけでもないの。……ただ一つ、お願いを聞いて欲しいの」 「……お願い? 言ってみなさいな」 「うん。あのね お願いだから、わたしから、〇〇をとらないで」 「!?」 「バレバレだよ。お姉さま、〇〇の前ではいっつもそわそわしてるし、ホントに時々、わたしのことを敵のような目で見るし」 「そんな……」 否定しようと思えばできる 大好きな妹を、そんなふうに見るはずがない それも、私の嘘偽らない本音だ それでも、心のどこかではきっと思ってしまっていたんだろう 〇〇に愛されるフランのことが、ずっと羨ましい、そして嫉ましいって 「〇〇だけは駄目。あの人はわたしの全て、いくらお姉さまにだって、〇〇だけはあげられない!」 「そんなことわかってる! ……でも、私だって、〇〇のことがっ……!」 「泣く子はいねがぁ」 「ひどい……ひどいよお姉さま! わたしはずっと独りぼっちだったんだよ! そんな時、わたしに元気と愛情をくれたのが〇〇だった! それからわたしは〇〇のことをずっと思ってきた! 〇〇だって、私を愛してるって言ってくれたのに! どうして!?」 「私だって、〇〇を忘れようと努力した! でもどうしても諦められないの! あなたが幸せそうに〇〇のことを話すたびに、胸が締め付けられるみたいに痛いの!」 「泣く子はいねがぁ!」 「………………」 「………………」 「泣く子は……あれ?」 争いの発端の男がそこにいた しかも、鬼になってる? 「何をやってるの? あと、その格好はなんなのかしら?」 「いえ、フランを迎えに来たらなんだか修羅場が発生してたので、争いを収めるなまはげルックです で、何の話だったんですか?」 「……あなたの罪は三つ 一つ、空気を読まずに突撃した事 一つ、乙女の修羅場で話も聞かなかったこと 一つ、……私たちを、恋に狂わせたこと。これが最も重い罪よ それで、おしおきは神槍でいいわね?」 「……義姉さん、何かちょっと前にこんな事があった気がしません? しかも何度も」 「奇遇ね。私も同じことを考えていたわ」 ああ、あの百日間の記憶がよみがえる おバカな〇〇と、私だけのお話 鮮烈なヘルシー&バイオレンス そして、私が誰よりも〇〇に近かった日のこと 「あなたは そこで かわいてゆけ」 「あ……あああ~~!」 「〇〇っ!!」 上から槍に貫かれた形の〇〇を見て、フランが取り乱す やっぱり、フランは〇〇のことを分かってない 異常なまでのタフネスがわかっていない ギャグ漫画のような体質が分かっていない それを知っているのは、恋人のフランドール・スカーレットじゃなく、このレミリア・スカーレットだ 私はフランに劣るばっかりの存在じゃない 現に、妹よりも〇〇を理解してるところもあるじゃないか 「フラン、この一撃は宣戦布告よ」 「え?」 「もう隠さない。私は〇〇を愛してる だからこれからもっともっと〇〇が私を好きになってくれるように努力するし、頻繁に奪いにも行くわ もしもあなたが〇〇を取られたくないと望むのなら、自分を磨いて全力で〇〇を繋ぎとめておきなさい ぼやぼやしてると本当に取られちゃうから、覚悟はしておきなさいよ」 「……いいよ。わたしだって〇〇のことは大好きだもん お姉さまなんかには絶対に負けないわ! むしろ、わたしたちの絆の強さに泣いちゃわないように注意しなさい!」 これでよかったのかはわからない けれど、自分を偽る事で感じていたあの自虐めいた痛みは、もうなくなっている 本当の自分で妹と勝負する その壮絶さと楽しさ、それに景品の〇〇のことを考えると、自然に顔がほころんできた 「「あははははははは!」」 そしてそれは、愛する妹も同じだったみたいだ 「誰でもいいけど、この槍は抜いてくれないのか~い? フラ~ン? 義姉さ~ん? お~い 誰か~ あ、やべ、HPがそろそろ底を……HELP ME~」 新ろだ2-272 「古来より、『男を落とすには、胃袋から攻めよ!」と言いますが、彼の場合それが特に顕著だと思いますねぇ」 「うむむ、成程。参考になるな……」 「三度の飯より、ご飯が好きって感じですもの。外の世界に比べれば娯楽も少ないでしょうし仕方ないのかもしれませんが」 「それであいつは、どんな料理が……ふわぁぁあ」 そう言うと永遠に幼き紅い月、レミリア・スカーレットは遂に我慢の限界が来たのか大あくびをした。 相当眠いのだろう。体裁を取り繕う余裕もないようである。 「あやや、やっぱりこの時間まで起きてるのは大変なのではないですか? 貰うものは貰っていますし、あなたの時間に来ても良かったのですよ?」 と、心配した様子を見せるのは、毎度お馴染み幻想ブン屋の射命丸文だ。 どうやらレミリアから何らかの依頼を受け、その報告にやって来たらしい。 「いや、気にしなくていい。こっちから頼んだ事だわ。逆に私の気がひける」 「おおー、あのレミリアさんからこんなに殊勝な言葉が聞けるとは……。 出来るなら記事にしたい位ですよ。これも愛の為せる技なのですね。ああ、なんて素晴らしい!」 「い、いちいち茶化さないでよ!」 顔を紅く、いや赤くしてレミリアが言う。ついでに言葉遣いも幼くなっている。 うーん、これはもう色々と限界なのかしらん。彼女の名誉(カリスマ)のためにも手短に切り上げてしまおうと文は考えた。 「いやぁ、すみません。それで先程の質問ですが、○○さんの好物でしたね」 文は敢えて○○という単語を使ってみた。 「う、うん」 頬を赤く染めたまま目を逸らしレミリアは頷いた。 何ともかわいいことで。この姿を彼に見せてあげればイチコロだろうに。 「彼は、何か特定の食べ物を、というよりはバイキングや定食、コース料理といった一度に様々な物を食べられる形式が大層お好きなようですね」 「ほう!その点に関してはウチはぴったりじゃないか!」 「ただ、あんまり堅苦しい雰囲気は苦手なようです。何でもテーブルマナーには自信がないと」 「む、確かに一度夕食に招いた時はかなり緊張している様子だったわね」 「そのようですね。ちなみに特に嫌いな食べ物もないようです。あぁでもタマネギだけは場合によっては苦手だそうですね、ご本人によると」 「え、ちょっと待って!あいつに直接聞いてきたの!?」 「え、そりゃあ普通聞くでしょ?むしろそれを想定してなかった事に私が驚きましたが」 「私の名前は出してないだろうなっ」 「出しませんってば。私がその手の情報を集めるのが一番自然ってことで依頼されたのにバラしては意味がないじゃないですか」 「そ、それならいいんだ。それなら…」 「それでは気を取り直して。他にはですね…。」 「パフォーマンス?」 「そう、パフォーマンスです。何でも妹紅さんの能力で直接焼き鳥を焼いて食べさせてもらったのが 強烈に印象に残ってるそうですよ。食事というものは、その時の気分で味の変わる物ですし、楽しませてあげると良いでしょう」 「ふむ、それは名案ね」 「とまあ、こんなところでしょうか。また何かわかりましたら特別サービスでご連絡しますよ」 「悪いわね」 「いえいえ、お気になさらず。それでは私はこれで。ごゆっくりお休み下さいな」 そう言って、文は去っていった。 ベッドに潜り込み、○○の写真(これも文に頼んで撮ってもらった)を眺めながら、眠くて思考が鈍った頭でぼんやりと考える 料理は、咲夜に任せれば何の問題もない。それに中華料理に関しては美鈴は咲夜を上回る。○○の胃袋を攻めるには十分すぎる精鋭だろう。 そして同時に家には、優秀な手品師も、異様に器用な一人雑技団もいる。足りないようなら友人の魔女に舞台演出を頼めばいいだろう。 パフォーマンスには事欠かない。 ――勝った。 それは一体誰に対しての物だろうか。レミリアは自分の勝利を確信した。 ○○は食事をしている時、本当に嬉しそうな顔をする。普段は落ち着いているのに急に子供っぽくなるのがまた可愛い。 思えば彼に興味を持ったのも、咲夜が作ったケーキを食べた時に見せた笑顔がきっかけだった。 あの笑顔を自分のモノだけにしたい。そんな独占欲を抱く様になったのはいつからだったか。 普段とのギャップが余計面白いのだろう。宴会の時なんかは彼の反応見たさに、様々な人妖が様々な食べ物を持ち込んでいたものだ。 ――あいつが来てくれたお陰でおつまみの準備をしなくても良くなったから助かったわ。というのはとある巫女の弁だ。 食事など日々の退屈なサイクルの一部に過ぎないが、そんな日々に楽しさを与えてくれた○○にレミリアは輝きを感じていたのであった。 「やはり人間は面白いわ……」 そういって写真を手にとった。 「ふふ、待っててね、○○。あなたは永遠に私のモノなんだから……」 そうしてレミリアは、○○の写真にキスをした。そして上機嫌で眠りについた。とても安らかな眠りだった。 だが、彼女は気付いていなかったのだ。 彼女の計画は、特にレミリア自身の評価を上げる物ではないと―― 後日、メイド長と門番に一生懸命料理を教わるお嬢様の噂が妖精メイドの間で持ちきりになったとか。 Megalith 2010/10/26 キスマークには二つの意味があるのです。 一つは相手に自分の愛情を示すもの。自分がどれだけ相手を想っているかを示すもの。 とても判りやすいキスマーク。自分が愛している証を残すもの。ゆえにルージュでつける。 頬につける。唇でつける。唇につける。判りやすい愛情のかたち。 そしてもう一つが。 「お呼びでしょうかお嬢様」 ここは幻想郷にある吸血鬼の館。そこにいる一人の異邦人。 名を○○と言う。 彼がここにいる理由は大して複雑なものではない。単純に忘れられたのだ。現実から。 別にそのこと自体は不幸なことではあるが、よくある、とまでは言えないもののありえることであった。 誤算は唯一つ。忘れられたがゆえにたどり着く場所に呼び込まれたことである。 どこを間違えたのかこの世界に呼び込まれた彼ははじめは混乱した。 いきなり見ず知らずの場所―に取り込まれれば当たり前である。ついでに言えば彼が召喚された位置もまずかった。鬱蒼と茂る夜の森の中…下手すれば半時もせずに妖怪の腹に収まっていただろう。 しかしそこで彼女と出会えたことは果たして偶然だったのだろうか? 「ふぅん…呼び込まれる運命が見えたから来てみたけど…本当にただの人間…ね…」 紅い―青年がその少女を見てはじめて感じたものがそれだった。 まずいまずいまずい。本能が警鐘を鳴らす。それでも目を離せないのは少女が余りに美しいからだろうか? 「ねぇあなた。何ができるのかしら?ここに来るってことはそれだけで才能なのよ?」 紅い少女が尋ねるが青年は何がなんだかわからなかった。 「こ、こは・・・?」 ようやく出た言葉に少女はほんのわずかに唇をゆがめたように見えた。 「そこから、か。なるほど…たまには外の人間の血っていうのも味わってみたいわね……咲夜」 はい、と言う返事とともにいつの間にいたのか紅い少女、レミリアの隣にはメイド服を着た少女が佇んでいた。 「それをつれて来なさい。あとで食事にするわ。それと―適当に仕込みなさい」 わずかばかり咲夜の眉が動いた。 「お嬢様?よろしいのですか?」 「構わないわ。暇つぶしよ。使えない様ならー―ー捨てれば良いしね」 ○○にはその声が一切冗談に聞こえなかった。自分がどうなるかわからないが下手を打てばそこで死ぬ。それだけは理解できた。 「かしこまりました」 咲夜の声を聞いて○○は緊張に耐えられなかったのか気を失ってしまった。いや、気絶させられたのか? 「せいぜい私を楽しませろ。人間」 こうして青年は吸血鬼の館に餌兼暇つぶしとして飼われることになった。無論彼に選択権などは、ない。 今から約半年ほど前のことであった。 「よく来たな。○○。今日は貴様に話がある」 豪奢な椅子に座りどこか気だるげな表情をするレミリア。 ここが幻想郷と呼ばれる場所で目の前にいるのは吸血鬼です。そんな説明を受けても○○はあまり実感がわかなかった。 実際何度か血も吸われているし、魔法とやらも見ているのだがそれ以外においては妖怪がいて不思議な力があるだけの世界。そう捉えてしまった。 確かに何もわからなかった頃は非常に恐ろしかったが理解できてしまえば―慣れてしまったともいう―常に恐怖に駆られるのは馬鹿らしくなってしまったのだ。 はじめの一月ばかりは死にたくない一心であらゆることを覚えた。従者としての心構えから紅茶の入れ方。控え方。どれ一つ教わることを逃がすまいと必死にやった。 なにせ命がかかっている。失敗した瞬間この世とおさらばなんてのはごめんだった。 次第にその生活にもなれ、多少周りを見渡す余裕ができると少しだけ彼は安堵した。 (死なない程度には…生きていけそうだ) 時々血を吸われるがレミリアはそこまで偏屈な主ではなかったし咲夜は厳しいが同時にとても優しい。図書館にいるパチュリーとは普段あまりあわないがそれでもそこまで悪感情はもたれていない…と思う。門番の美鈴は…まぁ普通にいい人(?)だ。 (じゃあここで生きていけばいいか) 現実で忘れられた男は現実に居場所がなかったと言ってもいい。そんな中見つけた居場所を大事に思ってしまうのは必然だった。 「お前は私の従者だ。そうだな?」 「もちろんでございます。この身はお嬢様、ひいては紅魔館に捧げておりますればそれ以外の意味などございません」 間髪いれずに応える。○○は行き場所を与えてくれたレミリアに感謝していた。 外見は自分より幼い少女でありながらカリスマ性に溢れこの幻想郷を統べる存在の一つとなっている。 そんなレミリアに感謝とともに敬愛以上の感情があることは彼だけの秘密である。 「ふむ、それにしては―最近私を蔑ろにしすぎではないか?」 は?と間抜けな声を上げそうになってこらえる。今この少女はなんと言った? 「確かにお前はたいした力も持たないくせに人間としてはなかなか良くやっている。しかし、コレはどういうことだ」 ばさりとレミリアが彼に差し出したものは十数枚の写真。そのどれもに彼と館の少女たちの姿が写っている。 咲夜と料理をしている写真。パチュリーに魔道書の読み方を教わっているもの。美鈴と花壇の手入れをしているもの。フランにせがまれてやった肩車の写真まである。 「こんなもの…どこから…」 「天狗の新聞屋がな。面白いものだといって私によこした。さて、○○何か弁明はあるか?」 弁明といわれてもさっぱりわからない。あまり館のみんなに近づきすぎてはいけないということだろうか? 「まだ判らないか。もう一度聞く。貴様は誰のものだ?」 ここにきてようやく彼にもレミリアの言うことが多少理解できた。確かに写真にはみんなの者がうつっている。たった一人を除いては。 「えーと、もしかして、写真を撮りたいん…ですか?」 しどろもどろになりながら聞く。あんまり自信はないけれど。 「半分は正解だ。だがやはり理解できていないようだな。最初に聞いただろう。貴様は誰のものだ?」 「…レミリアお嬢様のものでございます」 もう一度応える。コレだけは変わらない真実。 「そうだ。その癖に他のやつらに愛想を振りまくんじゃない。いいか、よく聞け」 レミリアはやおら立ち上がると○○の前にやって来て彼を立たせる。 そして背伸びをして彼の首筋に。 「貴様は私のものだ」 がぶり パシャリ ・ ・・ ・・・ ・・・・ ・・・・・ 「○○さんその首の傷どうしたんですか?」 「……お嬢様につけられました」 「あー。……あー。あんまり心配かけるようなことしちゃいけませんね」 キスには二つの意味があります。 一つは相手に愛情を伝えるもの。 一つは自分の刻印を周囲に見せるもの。 だからルージュでつける。歯でつける。 つまり。 「貴様は私のものだ」 周りがちょっとよそよそしくなったのはここだけの話。 おまけ 上記の少し後の話。 「背がほしいわ」 相も変わらずこの屋敷に勤めて幾月。この生活にも随分なれ今はたった一人のお茶会の給仕をしている○○にまたお嬢様は何か仰せになられた。 「背、でございますか」 レミリアの紅茶を注ぎなおしながら○○は応えた。 「そう、身長がもう少しほしい。人間は良いわね、すぐに背が伸びるもの」 「そう申されましてもこればっかりはどうにも…それにお嬢様は吸血鬼であらせられますゆえ只人とは違います」 確かにレミリアの身長は低い。○○の肩に届く程度しかない。背伸びしてようやく首筋に届く程度だ。 500年という月日を生きてこれなのだから突然背がほしいといわれてもはいそうですかとすぐに伸びるものでもない。 「このままでも構わないと思うのだけど最近私のカリスマが薄れている気がするわ。具体的には幼くなったりヘタレになったり」 「はぁ。いやに具体的ですねぇ。しかしこればっかりはいかんともしがたく…」 只の人間である彼に何ができるというわけでもない。口ごもるのが精一杯だ。 「それに…」 トン、と座っている椅子から飛び降りたレミリアは彼に指を突きつけそしてそれを下に向けた。 つられて彼も顔を下に向ける。 そして、 「…んっ」 「………こういうこともままならないもの」 くるりと後ろをむいたレミリア。おそらくその頬はこの館のように紅くなっているだろう。 反射的に唇を押さえている○○はすでに真っ赤というものを通り過ぎていたが。 「…お嬢様」 「………」 「お嬢様」 「………………」 「お嬢様!」 「…………………………何よ?」 くるりと振り向いたレミリアに今度は○○のほうから。 「こういうことは身長差がなくてはできないでしょう?」 真っ赤になりながら紅茶器を片付けて足早に○○は館のなかへ戻っていく。 残されたのは額を押さえながらこの館よりも紅くなった吸血鬼一人。 「…生意気」 おわり あとがき カリスマ全開のお嬢様を書いてみたかった。 わずかでも出ていればうれしい。 初投稿ゆえ見苦しきところ多数の点勘弁していただきたく候。 前と後ろで口調が違うのは意図してやってます。 まえがドシリアスな分後ろは少し甘いだけで十分甘く感じる…ことができるならいいなぁ。 いちゃついてない?次はきちんとプロポーズするものやります。 Megalith 2010/12/09 ほんの、悪戯のつもりであった。 その日、紅魔館では俺の提案により、怖い話大会が行われていた。 そう、ただ少し、可愛いレミリアを怖がらせようと思っただけだったのである。 広い室内に灯りはろうそく一本のみ。 言われなければ、ここが図書館とはわからなかったであろう。 暗闇に小悪魔の声が反響している。 「……あれーおかしいなーこんなところにのぼりなんか立ってたかなーやだなーやだなー怖いなーと思っていると、 そのときフッと人影が見えた。こちらを手招きしている。」 パチュリーもフランも咲夜も平然とした顔をしている。 しかし俺の隣にいるレミリアは、先ほどから強く手を握ったまま離そうとしない。 吸血鬼ともあろうものが、非常にどうかと思うのだが、実に怖がってくれているのである。 「……肉がジューッジューッと焼ける音がする。ああああーやだな怖いなー怖いなーと夢中で食べていると……なんと……そこにはもう、なにも、なかったんです」 パチュリーもフランも咲夜も平然とした顔をしている。 「小悪魔、あなたそれは怖い話の皮を被った漫談ではないかしら?」 「お姉さま、つまんなかったよねー」 「そ、そうよねえ、焼肉屋さんなら焼肉屋さんと最初から言ってくれればいいのに、ねえ咲夜?」 レミリアはとりつくろった顔をしているが、ずいぶんと冷や汗をかいている。咲夜は少々あきれながら俺を促した。 「それはそうと、〇〇様、次はあなたの番です」 ああ、そうだった。俺はろうそくを受け取って、ゆっくりと話しはじめた。 「信じようと、信じまいと―――― 俺がまだ、幻想郷で生活する前のこと、俺の暮らしていた世界では、ときどき奇妙な事件がおこっていました 昨日まで元気だった人が、次の日、突然白骨になって発見されるというのです 血痕はおろか、凶行が行われたような跡は一切なく、まるで ……最初から白骨だったかのように、綺麗に全身の骨だけが見つかるというのです 警察も医者も、猟奇事件か、あるいは新種の病気かも分からず、ただ首をかしげるだけでした そんなある日、病院で骨を調べていた医者が突然倒れました そばにいた仲間が駆け寄りますが、全く反応がありません すると、しばらくして、医者の体が奇妙にうごめきだしました 服の下に大量の何かか潜んでいるかのように、服全体がもぞもぞと動いていたのです 驚いて服を脱がせると、そこには細長く蛇のようになった無数の肉が身をくねらせて、 医者だった白骨の周りから離れようとうごめいていました。…………」 話し終わると、一定の評価はあったのか、それとも小悪魔の漫談の後だったからか、 皆そこそこの反応だった。 そういえば、レミリアはどうしただろう? 可愛い吸血鬼は、真っ青になってガクガク震えていた。 ぶつぶつと「怖くなんてなかった」とかつぶやいているのがきこえるが、目にハイライトがない。 挙句の果てには、「〇〇私はもう寝るから一緒に来なさい」とか言い出す始末である。まだ2時ですよ? ちょっとやりすぎてしまっただろうか。 それでも咲夜が着替えのためにレミリアを案内しようとすると、おとなしくついていった。 去り際に一言、 「先にベッドで待っているからね」とささやくと、何を想像したのか真っ赤になっていた。 妖精メイドが気をきかせてナイトキャップを持って来てくれたので、ありがたく頂くとする。 さて、俺もそろそろ寝ようかと図書館を出ようとすると、パチュリーに呼び止められた。 「さっさの話は本当にあったことなのかしら?」と聞いてきたが、まさかそんなはずはない。 幻想郷ですら起こるはずのないことだ。外の世界の小説を引用しただけである。 と、ここまで説明したふと気が付いた。俺はその小説に忠実に舞台を設定したのである。 原作では夫が妻にこの話をした後、先に寝室にいくふりをした。ベットにある『もの』を用意して。 これ以上怖がらせないように回収しなくてはならない。そこまでする必要がなくなった。 なぜなら、妻が夫とともに寝ようとして、ベットにあったのは…… 「〇〇? どうしたのかしら?こんなに部屋を暗くして……」 「『ベットで待ってる』だなんて、あなたも思わせぶりになったものね。べ、別に期待はしてないわ。 さっきだってちっとも怖くなかったし……」 「……○○? もう寝てしまったのかしら。それとも、まだ私を怖がらせようとしているのかしら。いけない人ね。 たっぷりおしおきをしてあげるわ……」 「あら、〇〇、ずいぶん痩せたんじゃない?だってあばらがこんなに……」 さすが咲夜。仕事が無駄に早い。あわてて寝室の前にたどり着いた時、 湖の向こうまで響き渡ったんじゃないかと思える悲鳴が聞こえた。 その夜、紅魔館はいつにもましてあかくあかくみえたそうな。 げんさく とうほう こうまきょう ぶい なぼこふ たんぺんしゅう 初投稿です。イチャは低め。 イチャ絵板 2010/01/08(文章は別人による) 「……え、これって」 レミリアは掲げた腕を見せて少しはにかんだ。 「好きにしても、いいのよ」 ○○は呆気に取られたのか、口をぽかんと開いている。 「ちょちょっ、ちょっと。二度も言わせる気!?」 レミリアは○○が聞いていなかったものと勘違いし、 大きく息を吸い込んでもう一度、と試みる。 「す、好きにしても……いー」 その言葉は途中で塞がれてしまった。 「……ご馳走さま」 と、啄んだ唇によって。 「……な、なななにゃにするのよ!!!」 「え、だって好きにしていいって」 「食べてもいいとは言ってないわよ、私は!!」 「それってへりくつじゃないのか!?」 「うるさい!ぎゃおー!うーうーうー!!」 「うわぁあぁぁ!?」 ――そしてレミリアが眠った頃、 ○○はリボンを薬指に巻き、 それを彼女の薬指にも巻きつけた。 ありがとう、確かに受け取ったよ、と。 (……まだ起きてるんだけど、ね) 薄眼で見ているレミリアには気付かないまま。 次の日レミリアが、やけにベッタベタだったのだが、 ○○がその理由を知るのはまだ、先の日のお話。 Megalith 2011/03/03 いい夜には静かに読書というのが相場で決まっている。 もちろん気分にもよる。今日は読書の気分だから今日の相場がそれだ。 香霖堂で頂いた木製の椅子に着座し、そして淹れたての紅茶を優雅にたしなむ。 するとどうだ。ちょっとリッチな気分に浸れるではないか。 あぁ、これぞ至福のひととき……。 幸せはこんなにも身近にあるものなのだ。 「ほんと脆いわねこの扉。前にも言ったじゃない。私のために修理しなさい、と」 ―――残念、俺の幸せは脆くも崩れ去ってしまった。幸せとはそんなに長く続かないものでもある。 激しい音を立てて崩れる玄関の扉を尻目に見ると、 主犯であると共に、来客者の少女、レミリア・スカーレットがドアノブを握り立っていた。 彼女はドアノブをその辺に捨て入って来ながらに注意を促す。 「それに、来客者へのおもてなしの心がなって―――」 言い終わる前に適当にカップを見繕い紅茶を注ぎ手渡す。 これも慣れた物というのだろうか。 幻想郷入りして幾月、環境は人を変えるものだなと、しみじみ思う。 「ん、この紅茶なかなか美味しいわね。まぁ咲夜が淹れるのよりは下になるけど」 瀟灑な従者のあの人と比べないで頂きたい。可哀想だろ、俺が。 しかし、至福のひとときを邪魔しに来て、いったい何なんですかあなたは? 「邪魔だとはよく言ったわね。私自らこうして出向いてやったというのに」 アポ無しにドアぶち壊してまで乱入してきてこの態度って。 もう頭抱えて机に屈服したい衝動にかられるが我慢。 このやり取りもかれこれ、何度目だろうか?……数えるだけ野暮ってものなのだろう。 しかし、慣れた物といったが、さすがにため息をつかざるをえないな。はぁ……。 「私を前にしてため息とはいい身分ね、死にたいの?」 身分も何も、そりゃため息も出るだろうに。 ひとときを邪魔されたんだからな。 「まぁ、そんなことどうでもいいわ」 どうでもいいことですが俺に取っては重要なことなんですがね。だいたいアレだ。 ……あ、いいんですか。そうですか。 「それよりも、こんないい夜に家に引きこもってなにをしていたの?」 見ての通り読書。こんないい夜には静かに読書をしたいんだ。 だからお前は壊したドアからでで行ってお家に帰りなさい。 俺は今から読書で忙しくなるから相手はできないんだよ。 「読書の割には絵が多いようだけど?」 いつの間にか少女は目の前に。これにはオレモビックリ。 しかしなんだ……あなたは何処に座られているのですか? 「椅子よ」 椅子ですかそうですか。 ソレは椅子ではなく俺の脚、詳しく言うと太ももなんですが。 向かい側にも椅子があるのだからそっちに座ればいいじゃないか。 「嫌よ。ここがいいもの」 しかし、彼女からの返答は簡潔なものだ。 そんなにこの席がいいなら俺が移動するからせめて退いてくれ。 両腕の間なんて場所は窮屈だろうに。 「嫌よ。ここがいいもの」 すっぽりと収まった彼女からさっきと同じ回答が返される。 あんな広い館に住んでいるのに狭いところが好きとはまた面白いな。 「いいから、さっさとページ捲りなさい」 ……はいはい、わかりましたよお嬢様。 「わかればいいのよ。わかれば」 ペラリとページを捲れば足の上に乗った少女は満足そうな返事を返す。 部屋にはページを捲る音が静かに流れ、二人の時間は静かに過ぎていく。 まぁ、こんなのも偶にはいいんじゃないか、と思えるある夜の出来事だった。 Megalith 2011/03/29 「実は昔、お嬢様に命を助けて頂いたことがありましてね」 黒のスーツを着こなしている○○が突然呟いた。 歳は若く、そして"人間"であった。 ○○は数ヶ月前、数奇な運命を辿り、お嬢様と知り合った。 最初は警戒され、メイドの"十六夜 咲夜"からの洗礼を受けるが、 ある出来事をきっかけに和解。 今は男の前の椅子に座っているこの館の主、お嬢様こと"レミリア・スカーレット"と 「今宵は眠れそうもないわ。だから話相手になりなさい」と言う理由で 定期的にこの紅色の館、"紅魔館"に呼び出されては たわいの無い話をしながら静かに夜が明けるのを待つのであった。 「あら?最初にこの館にのこのことやってきた以前に会ったことがあるなんて初耳よ」 レミリアは少し驚いた表情に浮かべる。 「ええ、言っていませんからね。……聞いていただけますか?」 ○○は少し申し訳なさそうに言った。 「……夜はまだ明けないわ。話してみたらどうかしら?」 分かりきったことを言わんばかりの笑みを掲げて○○に返す。 「分かりました……それでは……」 ○○は窓の外の暗闇にゆっくりと視線をそらし、一言一言思い出すように語り始めた。 ○○がまだ年端もゆかぬ少年だったときの事を。 _____________________________________________________________________________ 必死に逃げた。泥塗れになりながらも少年は死から逃れようとした。 少年は森に迷い込み、運悪く人喰い妖怪と遭遇してしまったからである。 次第に妖怪との距離が縮まっていく、それでも少年は必死に抗った。 無駄だと分かっていながらも。 そして少年は、恐怖に負け、木の根っこに躓いて転んでしまった。 立ち上がろうとした時にはもう死は少年のすぐ後ろに張り付いていた。 少年は地べたに這いつくばったまま妖怪を見上げた。 妖怪は下卑た笑いを浮かべながら、腕をゆっくりと振り上げた。 少年は目を瞑り、ギロチンが降りるのをただ待つだけの死刑囚のようにそのときを待った。 そしてこの場を支配したのは骨が砕ける音でも内臓が破裂する音でもなく、 この場に最も似つかわしくない音、いや、声だ、 美しいソプラノの声がこの場を支配した 恐る恐る目を開き、声の主を辿ってみると日傘を差した蒼い髪と紅い眼の美しい少女が 少し距離をおいたところに立っていた。 人喰い妖怪はその少女を見るや否や、顔を歪め、 少年から目を逸らし、少女の方に歩を進めようとした。 少年は無意識のうちに逃げろと大声を上げ、妖怪に掴み掛かった。 だが何の訓練もしていない人間、しかも子供が妖怪に敵うはずもない。 それでも少年は必死に大声を上げながら、妖怪の足止めする。 見知らぬ少女を逃がす時間を稼ぐため。見知らぬ少女を守るため。 しかし少女は足を動かそうとはしない。 そうこうしているうちに、少年は投げ飛ばされてしまい、 木に強く体を打ちつけて、崩れ落ちた。 そして妖怪は一歩ずつ少女の方に歩を進める。 それでも少女は動かなかった。 薄れ行く意識の中、覚えていたのは、少女の嗜虐的な笑み、そして・・・ 少女の目の前の地面に平伏した、血に濡れた妖怪の姿だった。 その後少年は村人に助けられたが、そこに少女の姿は無かった。 傷が癒えた後、少年は名も知らぬ少女をずっとずっと探していた。 一言お礼を言うため。 (いや、本当は只の口実) (少年はもう一度その少女に逢いたかった。) (少年はその少女と話がしたかった。) (少年は、少女に恋をしていた。) そして少年がその見知らぬ少女が"人間"ではなく"吸血鬼"で、湖の畔に住む紅の館の住人だと知るのは、 また別のお話。 _____________________________________________________________________________ 「……ご静聴ありがとうございました……」 しばらくの沈黙の後、特に顔色を変えずにレミリアは口を開いた。 「……そんなこともあったかしらね?」 ○○は窓の外の暗闇に目を据えたままだった。 「お嬢様にとっては本当に些細なことだったでしょうからね。覚えてなくても当然かもしれません。」 「……ですが僕にとっては……大切な思い出です。そして僕は決心しました……」 ○○は窓から目を離し、そして彼女の紅い眼を真剣な眼差しで見つめ、口を開いた。 「僕の一生を貴女に捧げると……この僕を助けていただいた貴女の為に死ぬと……!」 静寂の中、二人はしばらく見つめ合っていた。 ランプの灯りに浮かんだ○○の頬が僅かながら薄紅色に染まっていく。 紅潮し始めた頬を隠すように○○は下に俯き、そして窓の外を見た。 いつの間にか窓の外の暗闇は暗闇ではなくなり、この幻想郷に朝が訪れようとしていた。 「おや、もう空が明るくなり始めましたね…。では僕はこれにて失礼させて頂きます…」 ○○はドアの前に客人用にいつも置いてあるポールハンガーに掛けてあるコートを羽織った。 そしてドアノブに手を掛け、先ほどから口を閉ざして座っているレミリアに、いつもの言葉を投げ掛けた。 「またお逢いしましょう、お嬢様」 バタンとドアが閉まる音と共に部屋が再び静寂に包まれた。 レミリアは○○が今まで座っていた椅子をただ静かに見つめていた。 頬は心なしか桜色に染まっている。 「あの時の少年はやっぱり貴方だったのね……」 ソプラノの呟き声は窓から差し込む暁光に溶けて、消えていった。 _____________________________________________________________________________ (少女もまた、少年に恋をしていた。) _____________________________________________________________________________ お嬢様もの。初投稿。文才皆無。短編。イチャ分少なめ。回想あり。相愛話。 僕の中ではお嬢様は恋愛感情とか表にあまり出しなさそうなイメージがあります。 好きな人の前では尚更のこと。 デレまくりのお嬢様も大好きですけどね。 たまにはクールなお嬢様もいいかと。 お嬢様の台詞が少なめなのとか、○○が俗に言うメアリ・スーになっていないかとか、 初投稿なので不安なことばかりです。
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作品名(内容を表すもの):投下された方のレス番 の順に内容を表示して掲載させていただきます。 失明したフラン(レミリアいじめ含):6スレ589 第一回!緊急おぜうさまカリスマ持続会議!!:7スレ224 紅魔館は今日も平和:8スレ35 美鈴がクビになる:8スレ159 グロ注意 LUNATIC DAWN:13スレ835 カレー:14スレ679 「幻想郷の維持」ということ:15スレ873 月の狂気:19スレ923 レミリア いぢめ:22スレ521 レミリアの運命操作もの:22スレ636 カリスマクイズ!紅魔郷 その1 24スレ177 カリスマクイズ!紅魔郷 その2 24スレ177 当主フランドール フランの命とレミリアの責 26スレ167 なっとう:27スレ845 缶詰の日々:33スレ234 紅魔館の光:35スレ218 紅魔館の反乱:35スレ764 破壊の少女と隙間妖怪(前) 35スレ916 破壊の少女と隙間妖怪(後) 35スレ916 運命を弄んだ結果(未完)
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/648.html
レミリア9 13スレ目 276 うpろだ965 「お嬢様、今日の御昼食です」 「そう」 最近、紅魔館における食事事情がかなり改善されたきた。 というのは、外から来たある人間が調理主任に就いたからである。 最初は、その男のことを他の人間と同じように単なる食糧程度にしか思っていなかった。 それが変わったのは、私が気まぐれに彼に外の料理を作らせたときだ。 元々、料理人だったという彼の料理には、非の打ちどころがなかった。 味や見た目は文句なかったし、何より私の高貴であるべしという矜持を満たしてくれた。 そう、文句はない。たまに運ばれるこういうものを除いては……。 「今日は何の料理かしら?」 「○○曰く、外の世界にあるものだと……」 私は、咲夜の運んだきた料理へ目をやった。 金細工の施されたランチプレート。館のように真っ赤で、山型に盛られたチキンライス。 ハンバーグ、ポテト、ナポリタン、デザートにはプリンまで付いていた。 そして何より、目を引くのがライスの頂上に立てられた小さな旗。 その料理を、私は外の世界の本で目にした気がした。 「……咲夜、この料理の名前は?」 「私には存じかねます」 この料理の名前は……確か……。 そう、あれだ! ……。 あの男、無自覚でやってるのか? 「咲夜、○○を今すぐここに連れて来なさい」 「かしこまりました」 「で、これはどういうことかしら?」 「どういうこと、と申されますと?」 白い調理服に身をつつんだ○○が私の前に立つ。 「だから、この料「あ、○○だー」」 私の言葉を遮る形で、フランが部屋に入ってきた。 「○○、さっきのごはんおいしかったよ。それに、この旗もかっこいいし!」 「お褒めに預かり、光栄です」 私そっちのけで、会話を進める二人。 「ああ、もう! とにかく、次からはもっとちゃんとしたのを作りなさい!」 私はカッとなり、立てられた小さな旗を○○に投げつけた。 次の日 私は、咲夜の運んだきた料理へ目をやった。 金細工の施されたランチプレート。山型に盛られたチャーハン。ハ(ry 「これはどういうことかしら?」 「日本国旗はお気に召さなかったようなので、アメリカ国旗に……」 「そういうこと言ってんじゃないわよ!」 私は○○を思い切り殴り付けた。 その日から、調理主任が長期休暇を取ることになったのは言うまでもない。 これが後に起こる、第一次紅魔館食糧危機の始まりとなる、お子様ランチ事件の全貌である。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1020 「○○、何してるの?」 珍しく○○の部屋に遊びに来ていたレミリアが、○○が耳に細い棒のようなものを入れているのを不思議そうに見ていた。 「ああ、これですか? 耳かきですよ。里で見付けたんです」 「耳かき?」 「耳掃除するとき使うんです。耳は垢がたまりやすいですから」 懐紙に耳垢をまとめて捨てながら、○○は首を傾げる。 「レミリアさんのもしましょうか?」 「え?」 「人にやってもらうと綺麗に掃除できるんですよ。それに、興味あるんでしょう?」 ベッドに座って、○○は膝をポンポンと叩いた。 「そ、そんなことはないけど……そこまで言うならさせてあげるわ」 羽だけを楽しそうにはためかせながら、レミリアが膝に頭を乗せる。落ち着く体勢になるのを待って、○○が手を伸ばした。 「では失礼して」 「……ひゃうっ!?」 声に驚いて、○○は耳に触れた手を離す。 「びっくりした……」 「それは僕のセリフですよ……続けて大丈夫ですか?」 どうもくすぐったいようだ。下手に動かれると危ない気がする。 「だ、大丈夫よ。続けなさい」 「わかりました……でも、危ないから動かないでくださいね。手元が狂うと怪我しますし」 「大丈夫よ、すぐに治るのはわかってるでしょう?」 「それは身をもって。でもそういう問題じゃないです。レミリアさんを傷付けるのが嫌なんですから」 「……わかったわ」 少しの空白の後、レミリアはそう頷いた。そういうことをさらりと言うなとか何とか聞こえた気がしたが、よく聞き取れなかったのであえて訊かない。 とはいえ、耳に触れるとビクリと震えるため、危なくて仕方がない。 「耳かき、中に入れられないですよ」 「し、仕方がないじゃない」 「うーん、では失礼します」 ○○は片手でレミリアの肩を押さえ付けた。これなら安定する。 「さ、これなら大丈夫でしょう。続けますよー」 「……何だか楽しそうね」 さてどうしたものか。 ようやく耳掃除をしながら、○○は困惑した表情を浮かべていた。 無事に始められたまでは良かったのだが―― 「ん……ひゃ……」 くすぐったいのが我慢できないのか、レミリアが微かに震えながら、小さく声をあげているのだった。 身をよじるのは何とか身体を押さえて止めてはいるが、何だかこのままではいろいろな意味でまずい気がする。 「痛くないですか?」 「それは、大丈夫……ん」 他愛も無い会話でもしていないと、何だか自分がやましいことでもしているかのような錯覚に陥ってしまう。 いや、会話していてもどうかという話なのだが。 「あ」 少し陰になって見えないので、身体を押さえていた手を離して耳に触れる。 「ん……っ!」 「ちょっとじっとしていてくださいねー」 びく、と身体が震えるのが大きくなったが、大人しくじっとしている。丁度いいので、このまま掃除してしまおう。 誰かの耳掃除というのはそう経験はなかったが、なかなか面白いものなのだ。 「いっ……」 「すみません、ちょっと我慢しててください」 「う、ん……んん」 「はい、取れましたー」 懐紙に取って、ふむ、と○○は呟く。そろそろこちらはいいかもしれない。 「ん……終わり?」 「こちら側は終わりです。次は反対側をしましょうか」 「ま、まだやるの?」 少し息が荒いまま紅い顔を向けたレミリアに、○○は笑顔を向ける。 「片方だけだと気持ち悪いでしょう?」 「……まあ、そうだけど」 「だから、はい、反対側」 「…………楽しんでるわね?」 「いえいえそんなことは」 まったく誤魔化す気の無い返答に、レミリアは微かに涙目になった目で上目遣いに睨みながら、一言だけ言った。 「後で覚えてなさいよ……」 逆側の耳に触れるときにも身体をびくと震わせたが、諦めたのか慣れたのか、時折震えながらもレミリアは○○の成すがままになっている。 (……とか言うとものすごく変なことしてるみたいだけど) そう心に思いながら、掃除を始める。 「ん……ん」 「痛かったら痛いって言ってくださいね」 「……うん」 こちらに顔を向けているが表情は見えない。それでも何となく可愛らしくて、○○は顔を綻ばせた。 「……何、ん、笑ってるのよ」 「いや、可愛いなと思いまして」 「……そういうこと、さらりと言わない」 さらに紅くなったのだろう顔を○○に擦り寄るように伏せて、レミリアは○○の服を握った。 「こっちはくすぐったいんだから、早く終らせなさい」 「はいはい」 大人しいうちに、○○は手早く掃除を続けていく。時折漏れる声を少しばかり楽しみながら。 「んー、何だかすっきりした気がするわ」 「でしょう? 気持ちいいものですよ、耳掃除って」 「ちょっとくすぐったかったけどね」 くすくすと笑いながら、だが機嫌は悪くないようで、○○は安堵する。 「またしてあげましょうか?」 「そうね、また気が向いたら」 膝の上で横になったまま、レミリアは○○を見上げた。 「どうしてあんなに楽しそうだったの?」 「いやだって可愛かったですし。それに」 「ひゃ!?」 「耳が敏感だなんて知りませんでしたしね。新たな発見です」 レミリアの耳を、つっ、と指でなぞって、○○は楽しそうに笑う。 「……っ……」 びくっとなった後、レミリアは○○を睨み上げ、そして、えいとばかりに手を跳ね除けて起き上がった。 「貴方が横になりなさい」 「はい?」 「私が耳掃除するから、貴方が横になるの」 「でも、僕さっきまでやってましたが……」 「いいから! やられっぱなしは気に喰わないの。さっさと横になりなさい」 言われるままされるがままに、○○はレミリアの膝の上に頭を乗せる。さっきとは逆の体勢だ。 「……レミリアさん、やったことは?」 「ないわよ。でも今されたばかりだからわかるわ」 「……では、お願いします」 一抹の不安を抱えながら、○○はレミリアが気が済むまで大人しくしていることにした。 後日、図書館にて。修行の休憩中の会話。 「……それで、どうだったの?」 「は? 何がですか?」 「耳掃除。レミィにしてもらってたって聞いたけど。レミィが誰かに何かするなんて珍しいから」 「……あのときほど、自分が吸血鬼になってよかったと思ったことはありませんでしたね……まあ、悪くなかったというかむしろ良くはあったんですが」 「……そう。仲が良さそうで何よりね」 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1030 「ふぃ~、生き返るぜ~」 守矢神社の方々が運営している温泉に入りながら俺はそう独り言をいう。 文々。新聞にも載っていたがここの一番の目玉である日替わり露天風呂。 天然温泉であるにもかかわらず日毎に産出地を変えている。しかもその管理は諏訪子様がしているらしい。 諏訪子様が神であることを改めて感じさせられる。ちなみに今日は群馬の老神温泉らしい。 ちゃぽん ふむ、誰か入ってきたらしい。かなりの湯気でぼんやりとした人影しか見えないが邪魔になるといけない。 俺は真ん中でぷかぷかと浮かぶのをやめると端の方に移動した。 ゆっくりと進んでくるぼーっと見ているとそこに一陣の風が吹き―― 一糸纏わぬレミリアがそこにいた。 「れれれれっ、れみりゃっ!?」 「なによ、その言い方。私はそんな変な名前じゃないわよ」 ざぶざぶと水面を掻き分けてこっちに近づいてくる。 「ちょっ!? なんでこっち近づいてくるのっ!? こんなに広いんだから他の場所に行った方がいいかと!」 「こんだけ広いのに○○しかいないから側にいくのよ」 「さいですか。でも吸血鬼が温泉入って大丈夫なの?」 「流水じゃないから別になんのは問題ないわ」 「あとちゃんとタオルで隠してください。胸とかあそことか」 「あら、私は○○に見られても別にかまわないわ」 そのまま俺の横にちょこんとレミリアは腰掛けてしまった。 うう、目のやり場に困る。澄ました横顔、なだらかな胸丘や、まだ産毛も「そこまでよ!」おおぅパッチェさんが。自重せねば。 「ふふっ、カチカチね」 「どこみてるんですかぁっ!? それに絶対キャラ間違ってると思います!!」 「私は○○の態度を見ていったのだけれど? ○○はいったいどこだと思っていたのかしら?」 「うう、いいように弄ばれている気が……」 と、俺はある物を持ってきていたことを思い出した。 「レミリア、ちょっと待っててくれ」 そう言い残して俺は風呂の縁に置いてあった桶を持ちレミリアの所に戻った。 「早苗に少しだけならってことで許可してもらったんだ。一緒にどうだい?」 「へぇ、桃のリキュールね。それじゃお言葉に甘えようかしら」 「あ、でもグラスが一つしかないや」 「それでもかまわないわ」 「それじゃお先にどうぞ」 「ええ、いただくわ」 氷でキンキンに冷やしたリキュールをグラスにトクトクと注ぎ、レミリアはそれをとても上品に飲み干した。 「ふぅ、すごく濃厚な桃の味なのに後味はスッキリ。あなたにしては中々の物を見つけたわね」 「お褒めいただき、光栄でございます。お嬢様」 「ふふっ、やめて。○○にそんな口調で喋られるとなんだかこそばゆいわ」 「うわっ、ひどいな」 「じゃ、今度は私が注いであげる」 「ああ、ありがとう。――っとと。それじゃいただきます」 「――うん。たしかにおいしい」 交互に酒を注ぎながら二人きりの酒宴を楽しみながらふと空を見上げると綺麗な紅い月が真上に見えた。 「どうしたのよ? 急に上を見上げて」 「いや、今日は月が綺麗だなってさ。そしてうまい酒にとっておきの美少女がいる。これ以上の贅沢はないかなって思っていただけ」 「○○どうしたのよ。今日は変なことばっかり言って。もしかして酔っ払ってる?」 「かもね」 横に視線を向けるとくすくすと笑うレミリアがいた。 普段のどこか嘲笑が混じった笑みとは違い、外見に相応しい少女のように笑うレミリアはとても魅力的に映った。 「なに? じっと私の顔を見つめて? なにかついてる?」 「いや。レミリアってそうやって笑うとすごくかわいいなって見とれてた」 「なっ!? ばっ、は、恥ずかしいセリフ禁止っ!!」 「あいたっ」 ゆでだこみたいに顔を真っ赤にしたレミリアに頭をはたかれた。 そしてそっぽを向いて何かぶつぶつ言い出した。 「まったくこいつは……(ぶつぶつ)わたしの気持ちも知らないで……(ぶつぶつ)」 断片的に何か聞こえてくるが、聞かないのが紳士であろう。 他に視線を移しているとまた誰かがやってきたらしい。カラカラと戸を開ける音がした。 「お嬢様、そろそろお上がりになられた方が……なぜ○○がここにいるのかしら?」 うひゃあ……今この状況で一番会いたくないお方がいらっしゃいました。 めちゃくちゃドス黒いオーラが漂ってきます。 「いいのよ咲夜。○○が先に入っていたんだから。それじゃ私は先に上がるわね」 「ちょっと、お嬢様。お体くらい隠してください」 どこも隠そうとしないレミリアにバスタオルを巻く咲夜さん。この手際のよさはさすがメイド長。 などと下らないことを考えているとレミリアがこっちを見ていた。 「今日は楽しかったわ。今度はフランも連れてくるからそのときは3人一緒に入りましょ。約束ね」 「あ、ああ……」 そう言ってレミリアは微笑んだ。その姿はまるで月光に照らされた花のように美しかった。 レミリアが出て行った後も暫く惚けたまま動けなくなっていた。 「まずい……当てられた……」 うーん、これものぼせた部類に入るんだろうか? あの笑顔が焼きついて今夜は眠れそうにないや…… ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1061 「○○、今日も後でするわよ」 「いいですけど、随分楽しそうですねえ」 「楽しいもの。慣れてきたしね」 「それは僥幸。もう血を見るのは勘弁ですからね?」 「し、仕方ないじゃない、初めてしたんだから」 「……会話だけだと、かなり妖しいこと言ってるわよ、二人とも」 呆れた声で、パチュリーが話に加わった。午後の紅茶の時間、紅魔館のティールームのいつもの光景である。 「ん? パチェにも耳掃除してあげようか?」 「遠慮しておくわ。危険には近付かない主義だもの」 「むー、そんなことないわよ。ねえ、○○?」 「向上の後は見られる、とだけは」 「それはどういうことよ?」 問いには答えず、○○は紅茶をすすった。 「○○さんの部屋からたまに悲鳴が聞こえてたとか聞いたけど」 「最近はわりと大丈夫ですよ。鼓膜の被害もなくなりましたし」 「そこまで酷くはないわよ」 「最初は今までに体験したことのない恐怖を味わいましたけどね?」 楽しそうにからかう○○を、レミリアが軽く睨んだ。 「随分と意地悪を言うのね」 「いえいえそんなことは」 「じゃれあうのもいいけど、私達がいるのも忘れないようにね?」 レミリアがいつの間にやら○○の膝の上に座を移しているのを見て、パチュリーがさらに呆れながら咲夜と頷きを交わした。 「妖精メイド達の噂になっていましたよ。何やら声が聞こえてきていたと。そのメイド達は当然嗜めましたが」 「あら、別に後ろ暗いことをしてるわけじゃないわよ?」 くすくすとレミリアは笑う。 「妖精メイド達にも勧めたらどうかしら」 「今以上に仕事をしなくなりますよ?」 「んー、確かに楽しいものねえ」 「そんなに頻繁にやるものでもないはずなんですけどね」 どこか呆れたような微苦笑で○○が相槌を入れた。 「レミィが楽しんでいるんだからいいんじゃないかしら。 それに、レミィがそんなに楽しそうにしてることにも興味はあるわ」 「あ、やっぱりパチェもやる?」 「レミィにされるのは怖いから、するなら○○さんにしてもらおうかしら」 「それは駄目。○○がしていいのは私だけだもの」 「はいはい」 呆れたような微笑みでパチュリーは親友の言葉に頷いた。 「……レミリアさんは、この前咲夜さんにもしてもらってませんでした?」 「私はいいの」 「じゃあ咲夜に」 「かしこまりました」 「むー、私は駄目なわけ?」 「○○さんに太鼓判押されるようになってからにして頂戴」 そんなこんなで、紅魔館はひそやかな耳掃除ブームになっていたのだった。 そして事の発端達は―― 「○○ー」 「はいはい」 呼ばれて、○○はベッドに腰掛けているレミリアの膝に頭を乗せた。 本来なら喜ぶべき状況であるはずなのだが、どうも反射的に身構えてしまう。身構えたところでガード不可だが。 「そんなに警戒しなくてもいいじゃない」 「いや、反射で」 「大丈夫よ、今日は怪我させないから」 羽がパタパタと動いていて、機嫌がいいのがよくわかる。 「それでは、お願いします」 ○○は観念することにした。というか、それ以外そもそも選択肢は残されていなかったが。 ――が、意外に上達していたらしい。 「あー、上手になりましたね」 「気持ちいい?」 「そうですねー。気持ちいいです」 痒いところに手が届く、というのか、それとも以前に慣れてしまっていたからそう思うのか。 ともかく、怪我もなく順調である。それが当然の姿であるとも思うが。 「私も、こういうのが気持ちいいってわかったから」 「はい」 「○○も気持ちいいといいな、くらいは思ってるんだから」 「ありがとうございます」 素直に礼を言って、とりあえず身を任せることにする。うん、思わずうとうとしてしまいそうなほど気持ちが良い。 「……寝ると危ないわよ?」 「ん、ああ、すみません」 「それで怪我しても私の所為じゃないからね」 「はい、ごめんなさい」 そう会話しながら両耳の掃除を終え、○○は起き上がって照れくさそうに笑った。 「いや、すみません、気持ちよくてつい」 「それは嬉しいけど」 言いながら、レミリアは勝手に○○の膝の上に横になった。 「ふふ、でもようやく一矢報いた気分だわ」 「報いる、って、耳掃除は勝負じゃないですよ」 「でも……ん、だって、私ばかりだったもの」 耳に触れられるとくすぐったさそうにしながら、レミリアはくすくす微笑う。 「いつも○○には痛い思いさせてたみたいだし……ん」 「そんなに気にしなくても良いのに」 「それは嫌なの」 甘えたような拗ねた言葉が可愛らしい。口に出すと怒られるので声にはしないが。 「んー……でも、○○にやってもらうのが気持ち良いわね」 「そうですか?」 「ええ、咲夜にもしてもらったのも気持ち良かったけれど、やっぱり○○が良いわ」 「光栄です。はい、反対側」 何と応じたものかと悩みながら、とりあえずそう返す。 「ん……でも、慣れない、わね」 「どうしました?」 「くすぐったいのよ、まだ。そろそろ慣れるかなって思ってる、のに。○○に触られるのが、くすぐったくて」 確かに耳に触れると、まだびくりとしたり、目をぎゅっと閉じたりしている。 「むしろ、何だか、ん、どんどんくすぐったくなってきてる、気も、するのよね」 「……あまり喋ってると危ないですよ」 その発言はいろいろヤバいと思いながら、常識的なことだけを口にする。 「あら、どうして?」 「わかってて言ってませんか?」 悪戯っぽい声を出してきたので、一時中断して耳をなぞって仕返しをすることにした。 「……んっ、だから、くすぐったいってば」 「変なこと言うからです」 「……随分意地悪になったわね」 「レミリアさんの扱いは慣れてきたつもりですが」 「…………貴方こそ、わかってて言ってるでしょう?」 「いえいえそんなことは」 しれっと白々しい声を出してみたが、一瞬だけかなり強く頬を引っ張られ、相当痛い思いをすることになった。 「ところで、どうして僕は誰かにしちゃ駄目なんですか?」 「当たり前じゃないの、○○がしていいのは私だけ、○○にしていいのも、ね」 ○○の膝の上に座って、半ば振り返りながらレミリアは言う。 「○○は私のものだから。例えパチェや咲夜でも駄目」 「……それは、もしかして、妬いてくれてたりします?」 「煩い」 ぷい、と顔を背けてしまうが、少し耳が紅くなっている様子が見えた。思わず、頬が緩む。 「何、にやにやしてるのよ」 「いや、可愛いなあって」 「だから煩い」 レミリアは怒ったように言って、○○の方に向き直った。 「あまり減らず口を叩くなら……」 「……っ」 急に口唇を塞がれて、○○は驚く。口唇が離れる頃には、レミリアは○○の上で楽しげな笑みを浮かべていた。 「塞ぐわよ、こうやって」 「……もう、やってるじゃないですか」 「私が主だ、っていうこと忘れてるみたいだから。しっかり教えないと、ね」 何だか理不尽な気がするが、それでも○○は両手を挙げた。そもそも最愛の人に勝てるわけが無い。 「好きにしてください」 「よろしい」 「ですが、後ろ暗いことはしないんじゃなかったんですか?」 「あら、何も後ろ暗いことなんかないわよ」 恋人同士なんだから、と言って、レミリアはもう一度○○に口付けた。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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レミリア対策 キャラ対の第一回目はいきなり同キャラである。一番遭遇率が高いから仕方がない。 同キャラは実力勝負!という言い方は確かにできるかもしれないが、同キャラ独自のキャラ対というものもあるはずなので、ページを作っていってみる。 目次 レミリアってどんなキャラ? レミリアにお触りするために レミリアの固めを抜けるには? その他、対レミリア特有の対策 対レミリア用のデッキについて レミリアってどんなキャラ? キャラ特性考察で既に書いてあるとおり、ガン攻めキャラである。 というか、このキャラ、接近しないとまとまったダメージを取る手段がない。 しかも、立ち回りで守る手段もあまりない。 切り返しはあるものの、どれもリスキー。 が、一旦近づけば高威力のコンボとスペカが危険な存在。 起き攻めも強く、ダウンは取られたくない。 起き攻めの強さとリバサのリスクが相まって、レミリア同キャラでは攻めるターンを握ってる方が有利。 多少のダメージよりは攻めを継続することを優先的に考えていくほうがいいだろう。 レミリアにお触りするために お触り案1 遠距離編 グレイズ狩りを狙ってみるのはどうだろう? レミリアは動きが早く、適当に追っても捕まえるのは簡単ではない。 とりあえず、考えるべきことは、レミリアの動きはある程度決まった軌道でしか動けないことである。 ダッシュにしろ、空ダにしろ、どちらも軌道は一定だ。レミリアの特徴として書いたとおり、グレイズが苦手なことを利用する。 距離が離れたら徐ろにサーヴァントや溜めCを撒いておく。 他キャラの前ダッシュのように地上で下を潜りながら抜けることはできない。 ここからは射撃を追って近づいて、相手の行動を見て見ることにする。 低空の空ダや地上ダッシュでかわそうとする場合。 グレイズ狩りをしやすい。 どちらも似たような高さだからだ。 持続の長いJ6Aを使ったりするのもいいかも。空中でガードされると確定もらうけど。 それ以外ならJAがベターか。J2Aは空中戦には強くないので自重。 射撃を斜め上飛翔とかで抜けられた場合 どうするか難しい。 J8Aで追っていっても届かなかったりスレ違いになることも多そうだ。 上に逃げられた場合は、飛翔の不自由さと飛翔回数が少ないことを利用して、地上で待つのがいいかもしれない。 空ガ不可の2Aが狙えればベストだが、着地際に2AかDAを重ねれればそれでも御の字。触れればこちらのターンになる。 次点では、JBとかを重ねてからさわりに行くとかか。 気をつけるべきは、J2CとJ6A。飛翔を使い切っててもこの二つがあるので空中で落としに行くのはちょっとリスクがある気がする。 ここだけ注意すれば、着地際を効率良くお触りできそうな気がする。 射撃に対して射撃で対抗されたら よくわかりません。 誰かいい手がないか教えて。 その他の射撃 スティグマに書き換えているなら、これも機能しやすいと思う。 レミリアの射撃には強度が高いものは殆ど無いので、スティグマを消せる射撃は余りない。 中距離くらいからスティグマをすれば、空中への回避行動を強要できる。 もしガードしたらそのまま固めにいける。 スティグマ後、空中へ逃げるところを予想して追いかけるか、地上で降りてくるのを待つか。 いずれにしろ相手の行動を読みやすい状況に持っていければ触りやすいだろう。 お触り案2 中距離編:やっぱりJBから近づくのが基本かな 弾速が早いB射は相手の動きを止めるには最適だ。 強度は低いので、比較的射撃の弱い相手に機能しやすい接近方法である。 レミリアの射撃は強度はあまり無いのでB射からの接近は有効だろう。 ただし、動きが早いので近くから撃つのは危険。 B射が届くギリギリの距離から牽制していきたい。 近い位置だとB射は控えたほうがいいかもしれない。 お触り案3 近距離編:相手のお触りを利用する ダッシュ攻撃が届きそうな距離でウロウロしてるとジャンプやダッシュで襲いかかりたくなるのがレミリア使いの習性。 というか、冷静に考えればレミリアの近~中距離からの攻撃方法は3通り程度。 ダッシュ攻撃するか 空ダから攻撃するか JB、Bから近づくか くらいしかなさそう。 そこで、相手の突進に対して後ろ歩きなどで距離を調整する。 相手のジャンプ攻撃が届かない位置から、こちらの2Aを狙う。もしくは目の前に着地した相手にDAをかぶせる。 これは低空ダッシュや地上ダッシュの移動が多い相手だと効果的だろう。 多少距離が近くても2Aの判定で勝てる可能性が高いからだ。 但し、これはJBなどを撒いて近づいて来る相手には相性が悪い。 射撃をガードするかグレイズするかさせられてから相手の攻撃を受けることになる。 この場合は、逆にこちらからハイジャンプで差し込みに行かないといけないので、相手の行動を読むことが大事になる。 相手の空ダやJBが読めたら、徐ろにハイジャンプを先に置いておくといいだろう。 その他、相手の差し込み行動に2B2Cで撃退を狙う方法や、一度、相手のDAやJBをガードして銭を使ってから触りにいく手もあるかもしれない。 だが、2B2Cはグレイズされると危険だし、銭は相手に先に触られるリスクがあるので、できれば使わずにこちらから触れるのがいいだろう。 その他 ダッシュ攻撃がぎりぎり届く間合いより近づくと、もはや何でも攻撃が当たる距離になりそう。 この距離に来たら先に攻撃するか、バックジャンプで距離を取りなおすか、もしくは後ろ歩きで安全な距離に行くのがいいと思う。 レミリアの固めを抜けるには? そもそも固められないためには? JB、DA、空ダの間合いと軌道を把握してそこに近づかないことk 遠距離からの射撃は無理にグレイズせずに射撃で対抗する(上や下が抜けれそうならそれでもいいけど) JBや空ダを簡単に振らせないようにたまにhjaを置いたり、歩きで距離調整しておく。 くらいだろうか? 触られちまったら:レミリアの固めルートと対抗案 れ、レミリア使いは決してうろたえない。 レミリアの固めは怖いが、それは相手も同じなのだから。 主に自分がよくやる固めルートの対策を考えてみる。 行動 解説と対策 AA→2A→3A AAと刻んでちょっと距離を離してから、2A→3Aのルート。AAの後に4Aなら割り込めるが、AAAとされる場合がちょっと怖いね。あるいは、AA- 3Aの暴れ潰しルートにも負ける。AAの後は、ガードしてるのがよさそうだが、4Aドラキュラやグングニルがある状況なら、4Aや5Aで暴れてみるのも悪くはない。2A- 3Aの部分では最速入力でない限り、後ろジャンプなどで抜けれる場合もある。なので3Aをかわせそうだと思ったら後ろジャンプJ2Cなどしておくのもある。 AA→3A 相手の下段を狙ったり、AAの後に暴れてくる相手にやる固めルート。これが読めたら素直に下段ガードしときましょう。ガードできれば自分のターンになるのだから。 AA- 2A- 5C- (ウォーク) 2Aの後にC射ウォークと行くルート。C射に対して結界するとウォークが当たる。5Cに対して、DAで差し込みを狙ってもウォークに負ける。多分最善は、C射が見えた瞬間にバックダッシュ。上手くいけばC射をグレイズで消した上に、ウォークが届かないで目の前で止まってくれるので反撃できる。2A- 3Aのルートで来られてもかわせる可能性があるので、バックダッシュは狙えるかもしれない。もちろん画面端だと駄目だけど。 JAA- 着地- J2B- 前ダッシュ 運送用ルート。JAAをガードさせると有利フレームが長いのでこういう固めも可能になる。連ガ構成ではないので、J2Bのタイミングでグレイズできるのだが、見てからは難しい。他の人はあまりこれやってるの観たこと無いので遭遇率は少なそうだがやられたら、J2Bを読んでハイジャンプで狩りにいくことか。ただし、これと対になる行動として、JAA- hj2AとかJAA- J2Cなどもあり、結構難しい。当然、JAAから普通に近Aで固めにくるパターンも多い。 その他、対レミリア特有の対策 対レミリア用のデッキについて
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レミリア10 うpろだ1121 7年ほど勤めいていたホテルを退職した。 退職した理由だが、俺が研修した新人があろうことかパーティーの配膳中、主賓に料理をこぼしてしまった。 あわてて謝罪と処理をし、なんとかその場は納め事なきを得た。 そして後日、もう一度フロア長であった俺と上司とで謝罪にいった。 先方はその時の新人に責任を取らせろ。と行ったが、研修したのは俺であり、配置を考えたのも俺だった。 結果として俺は責任を取って退職する事にした。 長年勤めた職場で未練もある、だが筋は通しておきたかったし、事を円満に収める為には誰かが退職しなければならないような剣幕だったので俺が退職する事にした。 高校を出た後、実家の旅館に嫌気が差し、次男に後を任せて勘当同然で飛び出しサービスの道に進み、今の職場に就職し、とにかくがむしゃらに勤めてきた。 そのかいあって功績は認められ、フロア長にもなった。日々忙しい中でも仕事の時間は実に充実し、これからも更に頑張ろうとしていた所での退職だった。 職場の上司や部下に挨拶を済ませ、荷物をまとめて外に出た。 いつもは従業員用の出入り口から入るのでホテルの外観をあまり見なかったが、改めて眺めてみるとずいぶんと大きく感じた。 見ていると涙腺が緩むのを感じたので、俺は足早に慣れ親しんだ職場を去った。 帰路、長い間張り詰めてきた糸がきれたかのように何もやる気が起きず、かといって家に向う気も起きず、とにかくどこか遠い所へ行きたかった。 何も考えずに電車に乗り、降り、また乗る。 そうこうしているうちに夕方になり、駅の看板を見るとどうやら岩手まで辿りついていた。 岩手といえば幼少の頃、岩手にある叔父の家によく兄弟で遊びに行っていた事を思い出した。 今ではすっかり疎遠になってしまったが、ここまで来たのなら久々に叔父の家に行ってみようと思った。 叔父に話してみれば今のこの気分も少しは晴れるかもしれない。そう考えると足取りも少し軽くなった。 なんとかバス停の名前だけは憶えていたので、そこまでバスに乗って行く事にした。 町外れのバスを降りると、辺りはすっかり暗くなり、空は雲のおかげで月も出ていないが、初秋の心地よい風と虫の声に包まれた。 深呼吸すると都会とは違う清々しい空気が体内に送り込まれ、退職してから初めてすがすがしい気分になった。 そして、幼少の記憶を手繰り寄せるように道を歩んでいった。 ・・・が、見事に道に迷った。 途中で分かれ道を間違えたのだろうか?一時間ほど歩いて何も無いというのは、やはり道を間違えたのかもしれない。 だが、いざとなったら一晩ぐらい野宿しても死にはしないだろう、という確証もあった。 どうせ昼になれば見晴らしは良くなる。 そのまましばらく歩いて行くと、急に足に感触があり、その場で後ろ向きに転んだ。 一瞬何が起こったのか理解できなかったが、少なくとも頭はうたずに済んだ事はわかった。 何か変なものでも踏んだのだろうか・・・。倒れた時に背中を打ったらしく、少々痛みを感じたが、起き上がって足元を見回した。 見回したが、何もそれらしいものは発見できなかった。 辺りは溢れんばかりの月光に照られているので、それらしいものがあればすぐにわかるはずだが・・・。 ・・・そういえば月なんて出ていただろうか。 少なくとも、俺がバスを降りた時には出ていなかった筈だ。だが、今は真っ青な月により、辺りは照らされていた。 気がつけば辺りの様子も先ほどまでとは何かが違う事にも気づいた。 さっきまでは周囲で虫の鳴き声しかしなかったが、今は時折犬だか何か良くわからない動物の鳴き声が聞こえてきて気味が悪い。 明らかにおかしい。 道路はいつのまにかアスファルトですらなくなっていた。 いくら幼少の頃の記憶を辿っても、こんな所は思い出せない。 俺は迷うことなく元来た道を戻ろうとした。 だが、振り返ってみると後ろには森が広がっていた。 いくら暗かったとはいえ、森を歩いていたら流石に気づく。 いつのまにこんな所に迷い込んだんだ。一体ここは何処なんだ? 携帯を開いてみると圏外、俺の頭は完全に混乱状態に陥った。 時刻を見てみると20時を回ったところだった。まだこの時間ならば誰かいるかもしれない。混乱した頭でとにかく助けを求めて叫んだ。 叫びながらも歩き続け5分が立ったところだろうか、後ろから何かの気配を感じて振り返った。 そこには熊・・・だろうか大きさ2メートルほどの4足の獣が目を光らせていた。本能がヤバイ、と告げていた。 間髪置かずに俺は荷物を放り出し、反転して駆け出した。 後ろから獣が追ってくるのが気配でわかった。 いくら走れども背後の気配は一向に消えない。それどころか距離が縮まってくるのを感じる。俺は全速力で走り続けた。 ろくな呼吸もなしに駆け出したので、心臓が悲鳴をあげている。 そもそも俺は何故こんな所にいるんだろうか、あの時新人に責任を取らせれば今もいつもと変わらない日常ではなかっただろうか? そんな考えが頭をよぎりつつも、とにかく俺は逃げ続けた。 駆け出して数分、すでに肺も心臓も限界を迎え、走るスピードも見る見る遅くなっていく。 同時に足がもつれ、前のめりに倒れた。 起き上がろうとするも、目の前には獣が回りこんでいた。 それでも逃げよう、と思い、膝をついたが足が震えてどうも立ち上がれない。 見上げると月夜に照らされた長い爪が振り下ろされようとしているところだった。 おそらく数秒後に来るだろう痛みに向け、俺は反射的に顔を背けた。 バシュッ!という空気を切る音がした後、顔に温かく、生臭い液体がかかったのを感じた。 十秒ほど経っただろうか、まだ痛みは感じない。 何が起こったのか、未だに体を襲わない痛みを不審に思い、俺は恐る恐る目を開けた。 そこには、俺の目の前に立っていた獣が串刺しになり、血を噴出しながら倒れている光景だった。 真紅の槍が突き刺さり、俺を襲おうとした格好のままで絶命していた。 いつのまにか真赤になっていた月が、さっきまで獣だったものを照らしている。 助かったのか、もしそうならば助けてくれた人がいるはずだ。 そう思って槍の柄の方を目で追っていくと必然的に月を見上げる事になった。 そこには月を背負って人影があった。 背丈は少女のものだが、背中には不釣合いな羽。間違いなく異型の存在だった。 だが、月を背負うその姿はとても美しく、貴く、恐ろしかった。 何かこちらに向けて話しかけたのが聞こえたが、その姿を見ての感動と恐怖、先ほどの逃走劇の疲れで俺の意識は途切れた。 目が覚めると、知らない天井だった。 俺は何故こんな所にいるのだろう、と考えていると昨夜の出来事を思い出した。 得体の知れない獣に追われ、その後に何者かに助けられた所で俺の記憶は終わっている。 悪い夢であればいいのだが・・・。とりあえず、今の時間を確認する為に腕時計を見ようとすると、手と腕に昨夜の獣のものであろう赤黒い血の跡がこびりついている。 やはり昨日の出来事は夢ではなかったのだろうか。 それでも信じられなかった俺は、試しに頬をつねってみる。鈍い痛みを感じ、現実であるという事実に引き戻される。 とりあえず現状を把握しようと周囲を確認すると、どうやら建物の一室のようだ。 ぱっと見ただけで調度品は高価な物であるという事がわかり、掃除も行き届いている。 だが、全体的に窓が少なく、配色が赤く、一般的な建築ではない。この館の主の趣向なのだろうか。 念のために携帯を取り出すが、やはり圏外。電池の問題もあるので、俺は電源を切っておく事にした。 それにしてもここは一体どこなのだろうか・・・。 これだけ立派な部屋には電話なりで使用人を呼ぶ手段があるはずだ。 それらしきものがないか確認すると、扉の隣にチャイムが置いてあった。 鳴らすと、独特の高い金属音が扉の外から響いた。 使用人が来るまでの間、窓から外を眺める事にした。 窓からは屋敷の庭と門、その奥には湖が広がっている。屋敷全体が湖に囲まれているのだろうか。 それにしては船着場も橋も無いのにどうやってこの館に入るのか、不思議だった。 考えているうちに、コンコン、とノックする音が聞こえた。 「はい、どうぞ」 答えると「失礼いたします」と、女の声がして、ゆっくりと扉が開いた。 礼儀正しく入ってきたのは、銀色の髪、整った顔立ち、そして奇妙なメイド服を身にまとったメイドとおぼしき女性だった。 10代後半に見えるが、全体から醸し出す雰囲気はもっと大人びている。 「何の御用でしょうか?」 メイドの声で思考をやめ、一番聞きたかった事を口にした。 「一体ここは何処なんですか?」 俺は最初に疑問に思っていることを口にした。 「ここは紅魔館。主のレミリア・スカーレットの館ですわ」 随分と日本語離れしてきた名前が出てきたが、気にせず質問を続ける事にした。 「紅魔館とは?携帯も繋がらないのですが、ここは日本の何処にあたるのでしょうか?」 メイドは少し考え、こう答えた。 「ここは幻想郷、あなたの住んでいた世界とは少し違う世界ですわ」 違う世界とは一体何なのだろうか・・・、どうも話が噛み合っていない気がする。 一先ずこの件はおいて、質問を換えることにした。 「昨夜、獣に襲われていた私を助けてくれたのはあなたですか?」 「いえ、私ではなく主のレミリア様ですわ。ちなみに血まみれだったあなたを運んだのは私」 こんな少女に運ばれるとは・・・、少々恥ずかしかったが、感謝の意を伝えておいた。 「それは有難うございました。あなたの主にも礼を言いたいのですが、あわせて頂けませんか?」 「お嬢様はただ今お休みになっていますので、また起きた時に連絡いたしますわ」 「感謝します。それと、できればお風呂を貸して欲しいのですが」 いい加減この獣の血を洗い流しておきたかった。衛生的にも良くないし、血まみれと言うのは不快だ。 「それでしたら部屋の奥に添えつけのバスルームがありますので、そちらをお使いください」 メイドが指した方向にはバスルームに繋がっていると思われる扉があった。 「それでは、御用がありましたらまたおよび下さい」そう言ってお辞儀をし、メイドは出て行った。 いろいろ腑に落ちない事はあったが、まず風呂に入って落ち着くことにした。 全身についた血を洗い流し、風呂から出た後は添えつけのバスローブを纏ってベッドに寝転んだ。 寝転んでから気づいたが、いつのまにかベッドのシーツも布団も換えられている。 メイドの手際の良さに驚きながらも、思考を巡らせていた。 どうしてこんな所にいるのか、昨夜は一体何があったのか・・・。 だが、いくら考えても結論は出ない。唯一確かなのは、ここは日本ではなく、幻想郷の紅魔館という事だけだった。 物思いに耽っていると、いつのまにか時刻は16時を回っていた。 こんな時間まで休んでいるとは、この家の主はどんな不摂生な生活を送っているのか不思議に思った。 そういえば、着替えはどうしたのものかと気づいた。命の恩人に血まみれの服やバスローブで挨拶など失礼極まりない。 ふと添えつけのタンスの方を見ると、退職する時に持ってきた大き目のカバンが目に入った。 獣にから逃げる時に慌てて放り投げて来たのだが、先ほどのメイドが拾ってくれたのだろうか。 あの中には仕事で使っていた道具と燕尾服が入っているはずだ。奇妙な格好かも知れないが、少なくとも汚れた服よりはマシだろう。 俺はカバンを開け、いつも仕事で着ている服に着替えた。 着替えを済ませ、身嗜みを整えた。鏡にはいつもの仕事着の自分が映っている。 まあ、これなら失礼ではないか・・・。そう思っていると、コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。 「お嬢様がお目覚めになりましたので、お客様の準備が整いましたらご案内いたしますわ」とメイドの声が聞こえた。 「はい、すぐ行きます」 俺は答え、扉を開け、初めてこの部屋の外に出た。 出てすぐに気づいたが、廊下も赤かった。そして窓が少ない。やはりこのデザインは館の主の趣向で一貫しているのだろう。 ふとメイドを見ると、少々驚いた表情をして俺を眺めている。流石に血まみれだった男がいきなりこの格好になるのは驚いたのだろう。 数秒後「それでは、ご案内いたしますわ」と、メイドは何事も無かったかのように俺の先導をした。 主の部屋までは長い廊下が続いていた。 途中、格好はメイド風だが羽の生えた人と度々すれ違ったので、あれは何なのかとメイドに聞いてみた。 「うちで働く妖精メイドですわ」と、またしても変な答えが返ってきた。 妖精といえばおとぎ話に出てくるあの妖精だろうか・・・。 それにしても動きが雑なメイド達だった。彼女らが俺の招かれた部屋の掃除等をしていると思うと腑に落ちない。 ここはどうもに理解できないことが多すぎる。 そうこうしているうちに、先ほどから歩くごとに威圧感が増してきているのがわかる。歩くたびに空気がピリピリしている。 どうやら、この威圧感は主の部屋に近づく毎に増してきているようだ。 そして立派な扉の前まで来た。 「ここがレミリア様の部屋ですわ」メイドは威圧感などまるで感じない様子で、扉をノックした。 中から「入りなさい」と少女らしき声が聞こえた。 メイドが扉を開けると、中からは先ほどまで感じていたものとは比べ物にならない程の威圧感が溢れ出して来た。 思わず足が硬直しそうになったが、足元を見て、一歩一歩としっかり踏みしめ、部屋に入った。 ようやく部屋の中ほどまで進むと、後ろで扉の閉まる音が聞こえる。メイドが扉を閉めたのだろう。 足元を見て進んでいくと、高価そうな椅子が行く手を阻んだ。 目線を少しあげると、椅子の先には机があり、机の後ろに威圧感の元凶が鎮座しているのがわかった。 俺は意を決し、それに目を向けた。 そこには、昨夜見た、少女が、真赤な月明かりに、照らされていた。 透き通るような白い肌、ウェーブのかかった青い髪、見られるだけで震え上がるような真紅の瞳、そして背中の不釣合いな羽。 忘れるはずも無い畏怖の存在。俺を襲った獣とは比べ物にならない威圧感があった。 そして月夜を浴びる少女の姿は昨夜にも増し、美しかった。 「こんばんわ、今日も良い月夜ね」 呆然としていると、少女が先に口を開いた。 「は、はい」つい間抜けな返事をしてしまう。 それを聞くと、少女は無邪気に笑って言った。 「ふふっ、別にお前を獲って食おうって訳じゃない。恐れるのはいいけど、それじゃあ会話にならないよ」 俺は昨夜の礼を言うべく、深呼吸をして心臓を落ち着けた。 「さ、昨夜は命を救っていただいただけでなく、安全に寝る場所まで提供して頂きありがとうございました」 と言い、俺は頭を下げた。 「構わないわ、夜の散歩でたまたま私が通りがかっただけだもの。自分の運の良さに感謝しなさい」 こんな所に来た時点で運が良いのかどうかはわからないが、死なずに済んだ自分の悪運に感謝した。 「それよりお前の格好は何?随分と着慣れているみたいだけど。そんな服はあった?咲夜」 少女は俺の着る燕尾服を見て、不思議そうにメイドに尋ねた。 「いえ、私が呼びに言った時にはその格好でした。恐らく、彼のカバンに入っていたものでしょう」 メイドが答えると、少女は面白そうにこちらを眺めた。 「ふーん。そう言えば、まだ名前を聞いていなかったわね。あなたの名前は?」 しまった・・・、感謝のする事に必死でに自己紹介を忘れていた、威圧感にも少し慣れ、ようやく頭が正常に回転してきたのがわかる。 「私は○○と申します。この服装は先日まで働いていた職場のものです」 「私はレミリア・スカーレット。この紅魔館の主をしているわ」 目の前にいる少女がメイドの言っていたレミリア・スカーレットで、この館の支配者だと言う事がわかった。 「そういえば、先日まで働いていたと言ったけど、今は?」 「それは私も興味がありますわ」後ろで聞いていたメイドも口を挟んだ。 俺は仕事を辞めた経緯、そしてこの奇妙な地に迷い込んだ事を簡単に話した。 「またスキマ妖怪の仕業か。それにしても数奇な運命ね」 スキマ妖怪が何のことかはよくわからなかったが、運命、と言う言葉には脳が反応した。 退職し、この辺鄙な所に迷い込み、命を救われ、この館に招かれたのも、運命なのだろうか。 そしてこの少女に出会ったのも運命なのだろうか。 初めて出会って一日やそこらだが、俺はこの少女、いや、レミリア・スカーレットの虜になってしまった。 美しさ、貴さ、そして、恐ろしさの虜に。 「それより、これからはどうするつもり?帰りたいなら、明日にでも咲夜に神社まで送らせるよ」 そう聞かれたが、俺の答えは一つだった。俺はこの方の為に働きたい。 その思いが現実への未練をはるかに凌駕していた。 「もし叶う事なら・・・」 「もし叶う事なら、私をこの館で働かせてください」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 月夜の訪問者(うpろだ1239) 「本当に行くのね、○○」 「ああ、長いようで短かったけど、おかげで旅資金が出来たよ、ありがとなレミリア」 「・・見つかると、良いわね。」 「ああ、アテは無いけど、動かないと始まらないしな」 「じゃあ、みんな世話になったな」 「あ、○○・・」 「?どうしたパチュリー」 「これ、持って行って」 「また分厚い本だな」 「長い旅になるかもしれないから、暇つぶし用に貸してあげるわ」 「そうか、あんがとな。じゃあまた返し行かなきゃだな」 「・・ええ、待ってるわ。」 ~月夜の訪問者~ ―5ヶ月後。 「ふぁぁ~あ、眠くなってきたし、そろそろ寝るか・・」 俺はパチュリーに借りた本に栞を挟み、 電気を消そうとしたその時・・ バサッ バサッ バサッ! 「・・・ん、何だ・・?窓からなんかこっち向かって来る・・?」 小さな影がだんだん大きくなったかと思うと、 そのまま窓を突き破ってきた ガシャァァァァーーーン!!! 「んのわああああああああああ!!!」 俺は腰を抜かして間一髪で避けた。(結果的に) 「よっと。つい勢い余っちゃったわ。久しぶりね○○」 窓の事など全く気にもせず、最初に出た台詞はコレである。 紅魔館の主、レミリア・スカーレットだった。 全くこんな時間に一体なんだってんだ、血ならやらんぞ 「お前・・こんな夜中に何しに・・」 「あら、お客様に失礼じゃない、せっかく遊びに来て上げたのに」 窓壊しといて失礼も何もないだろう。 「それはともかくだ、少しは人間の寝る時間というのをだな・・」 「だって昼間だと動きにくいし、まあ実際起きてたから良かったじゃない♪」 「・・いや俺は寝る直前だったわけであって・・ 「あら、結構いい~家じゃない。私には狭いけど。」 …わざとらしいスルーである。 「ま、相変わらずでよかったよ、色んな意味で。」 「どういう意味よ?それ。 それより、お客に出すお茶はまだかしら?」 「・・・・」 もうちょっとお客さんらしく出来ないものかね。 コポポポポ 「紅茶でいいか?」 「任せるわ」 「俺は眠みぃから珈琲にしようっと・・」 「まったく夜が愉しい時なのに・・人間というのは人生損しているわねえ。」 酷い言われようだ。 「あら、なかなか美味しいじゃない、この紅茶」 「ああ、これはアリスに貰ったんだ。なかなか良いだろ?」 「いつだったかご馳走になった時、つい『美味い』と言っちまったんだよ。」 「・・・それであんなに棚が紅茶でギッシリ埋まってるのね。・・何となく読めたわ。」 「ああ、嬉しそう~にドッサリ渡されたよ、帰りに。」 というような全くどうでもいい会話をしているが、 本当にわざわざ遊びに来ただけなのか?このお嬢様は。 何か企んでそうな気がしてならないんだが・・ 「そういえばあなたが紅魔館を離れてどれくらいになるんだっけ」 「そうだな、もう5ヶ月位になるんじゃないかな。 てことは俺が此処(幻想郷)に飛ばされてもう半年以上になるのか・・」 「早いものね。みんな会いたがってたわよ、たまには帰ってきなさいよね~」 「はは、そうだな。紅魔館のみんなは元気か?」 「ええ、変わらず騒がしいわ」 「・・でも、紅魔館に活気が出たのも、あなたがうちで働いてからなのよね。」 「そう、なのか」 「そうよ。まったく、あなたにはホント驚かされるわ。パチェもフランも あなたが来る前までは食事の時間に顔すら出さなかったのに。昔と比べて食卓が賑やかよ。」 「そうか、そりゃよかった」 「あなたが去って二人ともまた元に戻らないか心配だったけど、 ・・・ちゃんとあなたの言いつけ守ってるみたいね。全く、どんな催眠術を使ったのよ」 「まあ・・ちょっと説教(?)したら思ったより二人とも素直だったってだけさ。」 妹様の方は命掛けだったが。マジで。 「そういえば、こんな時間にこんな所に居て咲夜が心配してないのか?」 「そりゃ心配してるでしょうね。」 「・・いやいや普通に落ち着いて飲みながら言うなよ。まさか黙って来たのか?」 「勿論。あなたの所って知ったらみんな騒ぎそうだし」 「なんだそりゃ。」 「さっきも言ったけど皆もあなたに会いたがってるからよ」 「パチェは、あなたに貸した本の感想が聞きたいとか何度かボヤいてたし 美鈴なんて『愚痴を親身になって聞いてくれる唯一の仲間が・・』とか酒を呑む度に口にしてるわね。」 アレを親身になってるように見えてたなら周りの普段の扱いが容易に想像できてしまう。 本の方は・・まだ読み終わってないんだよな。なんせ分厚い上に俺は読むのが遅い。 「咲夜は、時折あなたの心配をしてたわよ。弟のように想ってるかもね」 「まあ、咲夜には一番世話してもらったからな。。俺に仕事のイロハを教えてもらったのも咲夜だし」 「ま、とうてい真似は出来なかったケドネ」 「ふふ、気をつけた方がいいよ~?1度咲夜に心配されるようになると 私みたいに自由に動けなったりするかもよ。気も遣わせちゃうしね」 「はは、それは困るな」 「ま、そんな空気で私だけ出し抜いたなんて知られると、後で何言われるやら分かったもんじゃないわ」 「そっか。みんな元気ならよかった。」 少しの沈黙の後、レミリアは聞く 「で、外の世界に戻る目処はついたの?」 …正直、これを答えるのが辛かったから自分から言わなかった、 でも聞かれてしまったなら本当の事を言うしかない。 「ああ、ついたよ。」 「・・そ、そうなの」 「境界を操る妖怪に会って、そいつに頼めばいつでも、だそうだ。」 「・・そう、あいつ(紫)に接触したのね」 「やっぱり、知ってたか。」 「・・・。」 「全くみんな人が悪いよ、どういう訳かみんな知らない振りしてるような感じだったんだよな。 ま、自分で探すと決意して、旅をしながら幻想郷を知るいいキッカケになったからいいが、 紫に辿り着くまで冥界に行ったり鬼にも会ったり、なんか振り回された感じで色々大変だった」 「あいつは神出鬼没だからね。会おうと思って会えるような奴じゃないのよ」 「・・それで、いつ?」 「ん?」 「いつ、帰るの?」 さっきからレミリアお嬢様のお顔が怖いです。 「まだだよ、パチュリーにもまだ本返してないし」 「でも、返したらその後帰るんでしょ?」 「・・まあ、そりゃ・・。俺は此処の住人じゃないし、いつかは帰らないといけないだろう」 カチャン という、俺の言葉をさえぎる様にカップを少し力強く机に置いてレミリアが言った。 「・・焦らなくてもいいんじゃない?」 眼が怖い。これ怒ってる・・よな。 俺は怒られてるのか。 「・・俺は妖怪たちと違って寿命が短いんだ、俺には時間に余裕がないんだよ。」 「はぁ、全く・・あなたも相変わらずね・・。」 レミリアが急に立ち上がり、俺の隣に来て座った。 「・・私があなたにまだ帰って欲しくないって言ってるの察しなよ・・」 「・・・悪い。レミリアはそう思ってくれて嬉しいが、他の人は・・」 「不器用ね・・ほんと。」 またしばらく沈黙の後、紅茶を飲み干すレミリア。 「ごちそうさま。」 「・・パチェが貸したその本、本当に旅のお供にっていう意味だけと思ってる?」 「どういう事だ?」 「あなたが紫に会ったとき、何故すぐに帰らなかったかを考えれば分かるはずよ。」 「この本をまだ返してないからだが、、それが一体・・ってまさか」 「・・そうよ、あなたにまだ帰って欲しくないからそんな分厚い本をあなたに貸したのよ。」 「ほんと、こんな回りくどい事するのパチェらしいわね・・」 「・・・」 「あと、周りが紫の事知らない振りしてそうみたいな事さっきあなたが言ってたけど、多分それ本当よ」 「何故そう思うんだ?」 「あなた気に入られやすい性格なのよきっと。」 「いやいや答えになっとらんぞ?」 「・・一生悩んでなさい」 「・・まあ、あなたがそう言うなら止めない。あなたの問題だもの。私がどうこう言う事じゃない」 そう、普通の人はこう言う・・でも私は・・」 「・・?」 「ごめん、私は我儘な吸血鬼なの」 突然ぎゅっとしがみ付いて来た。 …なんだこの展開は。 ボソっと何か言ってるみたいだが、よく聞き取れない。 「お願い・・ないで・・」 「・・何?」 「お願い、まだ帰らないで・・」 …つまり我儘なのを開き直ったって事でよろしいのでしょうか。 まったく、カリスマの欠片もないな。 でもこれがレミリア・スカーレットなのだろう。 こういう時のおぜうさまは妹様より子供っぽい。 「いやだからすぐには帰らないってば、『いつか』だよ」 「・・人間の『いつか』は私たちにとっては『明日』と同義なの。 100年なんてあっという間なのよ?私たちにとって」 やれやれ・・ レミリアはさっきから俺にしがみ付いたまま離れない。 「レミリア・・お前そろそろ帰らないと夜が明けちまうぞ?」 「やだ。帰らない。」 ぷくーっと膨れっ面をしながら言った。 まったく、さっきまでの高慢なお嬢様は何処に行ったんやら。 これじゃただの駄々っ子と変わらんぞ。 「・・まいったな」 「分かった分かった、しばらく此処に残るから」 「・・しばらく・・?」 「まだ先だから・・」 「まだ先・・?」 「ああもう、分かった、ずっと居てやるから機嫌直してくれ、な?」 「本当・・?」 「・・ああ、約束する」 もうほんとガキの頃の俺にソックリ。 つか、こんな約束しちまってよかったんだろうか。 現金に笑顔を見せたかと思ったらそのまま寝やがった。 「・・やれやれ。」 レミリアをベッドに移し、布団を掛けてやった。 「ふぁ・・ぁぁ、・・俺が早く眠りにつきたかったのに、 先に寝るたぁ、全くどういうお客さんだよホントに」 …って、ベッド1つしか無いんだった。 ……。 ま、いいか。いいよね?いいよな。俺のベッドだし。 じゃ、ちょっと失礼しますよっと。 …ちょっと狭いかな。仕方ないか、一人用のベッドだし。 しかし、我儘に屈服したとはいえ、こんな約束してしまって良かったのか・・。 それにしても 「すぅ・・すぅ・・」 こいつの寝顔初めて見たな・・。 こいつがこの時間に寝るって滅多に無いんだろうな。 …。 ああいかんいかん。変な気起こす前に俺も寝よう。 窓の外を見ると、大きな月が眩しいくらいに幻想郷を照らしている。 「月、綺麗だな。永遠亭のあいつらも元気してるかな・・」 永遠亭を出る時も、冥界を出る時も、 みんなにまた帰ってくるって約束したんだったっけか・・。 破っちゃ、駄目だよなぁやっぱ・・。 急に光に包まれた。それと同時に聞いたことがある声が聴こえる・・ 『あなたにはまだ色々やるべき事がいっぱい残ってるわ。』 「やるべき事・・?」 『それは自分で考えなさい。』 「・・・・。」 『でも、ヒントをあげるわ。』 「・・なんだ?」 『幻想郷を・・もっと深く知る事・・よ。』 「今のがヒントか?っておい、待てって!」 『ふふ、それじゃあね。』 …… 「くかー、くかー」 「すぅ・・すぅ・・」 そう、これは夢の中の声。 夢って分かる夢ってのも変な気分だな・・。 答えは自分で探す・・か。分かったよ。 様々な場所で妖怪、人間、宇宙人、幽霊、鬼等に出会い、別れ、 そして様々な地に足を入れた俺ではあるが それでもまだ、俺はこの幻想郷のほんの一部しか知らないんだろう。 もっと知るためにも、やるべき事を見つける為にも、 またみんなに会わなきゃ・・な・・。 ―窓の外、 そこから少し離れた木の上。そこには一人の妖怪が居た。 「(・・ふふ、あなたはまだ此処(幻想郷)に必要なの。 私にとっても、そして幻想郷にとっても、ね。)」 「(それにしても夢に出るのはちょっと卑怯だったかしら・・ま、念は押しとかないとね。)」 ズズズズズ・・・ 安堵の笑みを浮かべながら、その妖怪は空間の裂け目からゆっくりと姿を消した。 ~月夜の訪問者~ 完。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ150 「カリスマ溢れるお嬢様を世に知らしめる!」 「紅魔館の威厳を世に知らしめる!」 昼に生きるもの達は寝静まった丑三つ時。 夜に生きる者の王、レミリア・スカーレットと、自称その下僕である○○の叫びが唐突に、その静寂を破った。 「流石は分かっているじゃない、○○!」 「もちろんです、お嬢様!」 同じような答えに行き着いた二人は親しげに握手を交わす。 レミリアと○○、この二人は非常に気の合う者同士なのである。 そのために○○は、時折彼女のティータイムにお呼ばれをして、紅魔館に足を運んでいるのだ。 ただの人間に、レミリアがここまで気を許すとは、いやはや世の中分からないものである。 「……さて、そうは言っても、どのようにすればいいかしらね」 「任せてください! 俺に考えがあるんです。名付けて、『スカーレットプロジェクト』!」 「……へぇ、私達の輝かしい第一歩に相応しい名前じゃない」 ……ついでにこの二人、破滅的なセンスの持ち主でもある。 主にネーミング的な意味で。 「それで、どのような物なのかしら、その『スカーレットプロジェクト』とやらは」 期待を込めた眼で○○を見つめるレミリア。 「はい、簡単に言ってしまえば、紅魔館改造計画です。この館の全ての格を上げれば、自ずとそこの主であるお嬢様のカリスマは跳ね上がる。そして同時に紅魔館の名前も威厳も上げられるという一挙両得の計画です!」 「素晴らしいわ、○○! 流石は私の見込んだ男」 「光栄に存じます」 「それで、具体的にどのようにするのかしら?」 「はい、まずはお嬢様本人ですが、こちらに関してはなにも問題はありません。 その麗しいお姿と、漂う気品は見るもの全てを虜にしますし、強さに関しては他の追随を許しません」 「ふふん、当然ね」 誇らしげに胸を張るレミリア。 「それからこの館、紅魔館ですが、確かに幻想郷一美しい屋敷と言えますが、お嬢様が住まうには少し役不足です」 「……ふむ」 「夜の王たる貴女が住むからには、そこに在るというだけで、見るものを震え上がらせる恐ろしさと、存在感がなければいけません」 「……成程」 「そこで俺が外の世界の知識を参考に、イメージ図を描いてみたのですが、如何でしょうか?」 ○○が取り出した紙に描かれていた屋敷に目を見開くレミリア。 「これは、……素晴らしいわ○○! まさか貴方にこんな才能もあるなんて」 「お気に召していただけましたか」 「文句なしよ! そうよね、私ともあろうものが、この程度の屋敷で満足していては駄目よね」 「もちろんです! あなたはもっと上に行く御方だ!」 お互いの認識を深め、二人で盛り上がる○○とレミリア。こんな夜中にやかましいことこの上ない。 「……そして、他の住人のことですが、やはりお嬢様の下につくには、少々力不足です。 並み居る強者を従えてこそ、王者の中の王者。 お言葉ですが、皆お嬢様の供としての自覚が足りません」 「それは私もうすうす感じていたわ」 「そこで、単純な手段ではありますが、スペルカードを考えてみました。これらを各々が使いこなせるようになれば、かなりの戦力になること間違いありません!」 「……これはまた、凄まじい物を考えたわね。 これが使えれば、霊夢もスキマも敵ではない。残念ながら、私には勝てそうにないけど」 「この世界でお嬢様に勝てる者など、いるわけがありません」 「しかし、私以外を相手にするのならば十分ね」 「有り難きお言葉」 「早速全員にこのスペルカードを作らせるようにしましょう」 「では、明日からとりかかりましょうか?」 「そうね。さあ、これから忙しくなるわよ。レミリア・スカーレットこそ、幻想郷最強ということを、知らしめてやるわ!」 レミリアと○○は拳を高々と突き上げて、不敵に笑いあった。 美鈴は後ろで聞こえた破砕音に振り向くと、あんぐりと口を開いた。 見えたのは紅魔館の変わり果てた姿。 外観の一部が砕かれたのだろうか、瓦礫が庭にうず高く積まれている。 紅の塗装もあちこちがぼろぼろに剥げ落ち、地の色とまだらになりみすぼらしい。 玄関の扉は、その機能を果たせずに、だらしなく蝶番ひとつでぶら下がっていた。 そしてその扉の目の前には、最近紅魔館に入り浸る人間○○が、満足げに扉を見つめている。 「……ちょ、ちょ、ちょ!? ○○さん!? なにしてるんですか!?」 「紅魔館を、そしてお嬢様の名を幻想郷中に轟かせる記念すべき第一歩だよ」 「はあ!?」 意味を理解できず茫然とする美鈴に、○○は紙切れを渡す。 「丁度良かったよ美鈴。その紙に描かれたスペルカードを今すぐ作ってね。これはお嬢様の命令だから」 「いや、そうでなくて、咲夜さんやお嬢様に怒られますよ!」 「平気平気。これはお嬢様の意思だから」 「訳分かりませんから。……ってちょっと待って、○○さ~ん」 上機嫌で館へと入っていく○○を美鈴は必死に追いかけた。 咲夜は館の惨状に頭を抱えていた。 まるで妹様が暴れまわったかのように、あちこちが破壊されている。 その景観はそう、外の世界にあった、幽霊屋敷その物だ。 何が起こったのか知らないが、このままではお嬢様に叱られてしまう。 何とかしなくてはと思った矢先、紅い砲弾が目の前をかすめ、廊下の角にあった調度品を砕いた。 何事かと振り反るとそこに現れたのは、主であるレミリア。 「……お嬢様!?」 「あら、咲夜。どうしたのそんなに慌てて」 「どうしたもこうしたも、この惨状。一大事です」 「ああ、いいのよいいのよ。これはスカーレットプロジェクトの一環なんだから」 「はあ?」 「だから、スカーレットプロジェクトよ。咲夜にはこのスペルカードを作ってもらうわ。こっちはパチェに渡しといて」 「え、ちょっと、お嬢様。お止めください!」 「○○さ~ん!待って……」 「レミィ、さっきから何の騒ぎ!? 本がめちゃくちゃなん……」 「お姉様! お気に入りのカップが割れちゃったじゃない! どうしてくれ……」 ○○を追いかけて来た美鈴と、この騒ぎの被害を受けたフランとパチュリーが、ロビーに来て絶句する。 「……何コレ?」 「……さあ、私にも分かりかねます」 「わ~い、わたしもまぜて~」 一番最初に立ち直ったフランは、嬉々として破壊活動に加わる 残された三人は目の前の風景に呆然とする他なかった。 「……なんでこんなことになってる訳?」 「……プロジェクトがどうとか。そういえば、パチュリー様にと、お嬢様が」 咲夜が先程レミリアからもらった紙切れをパチュリーにわたす。 「何コレ? ……ええと、『月月火水木金金符、年中むきゅ~。とにかく色んな弾をばらまく』?」 「スペルカードらしいです」 「「「……」」」 果たして、喘息持ちの彼女の体力は考慮されているのだろうか。 「ひょっとしてわたしのもですか? 「なになに『名刺、紅美鈴。紅、美、鈴の形にした米弾をばらまく』?」 「「「……」」」 そこまで彼女の名前は浸透してないのだろうか。 「咲夜も貰ったわけ?」 「はい。『瞬殺、メイドインアサシン』だそうです。時を止めてその間にナイフで相手を一刺し」 「「「……」」」 不可避弾幕禁止というルールがあったはずだが。 「……これらをスペルカードとして作るようにと」 「……で、これはまあ、いいとして、アレはどういうこと?」 無茶な要望に少し苛立ちながらパチュリーが尋ねる。 「……あの、ひょっとしたらこれじゃないですかね?」 美鈴が差し出したのは、館の絵が描かれた紙。 足元に落ちていたらしいそれには、上部にスカーレットプロジェクトと書かれ、描かれた館は妖怪屋敷と呼ばれるような外観。 「……つまり、ここをこんな風にするために、あんな真似をしているのかしら?」 魔導書の一部を駄目にされたパチュリーは、怒り心頭。 いい感じに額に青筋が立っている。 「……ご安心下さい、パチュリー様。いきすぎた主をたしなめるのも、従者の役目」 穏やかな、あまりにも穏やかな声で答える咲夜。 この後の作業を考えれば、あの二人には、言っておかなければならないことがある。 それはもう、たっぷりと、こってりと。 「……妹様、危ないですから降りてきてください」 スペルカードといい、妖怪屋敷(門前で啜り泣く悪霊役)といい、あんまりな扱いを受けた美鈴も、普段とは違う笑顔でフランに呼び掛ける。 暴れ足りなくて不満そうに振り向いたフランは、しかし、三人の殺気に、慌ててロビーに舞い降りる。 「……さて」 美鈴が腰を低く落として構える。 「……二人とも」 パチュリーが、いつも抱えている魔導書を開く。 「……いい加減に」 咲夜が自身の後ろに無数のナイフを展開する。 「「「しなさーーーい!!!」」」 怒りの弾幕一斉掃射。 ただの人間である○○はもちろん、全く気付いて無かったレミリアも、ルナテイック越えのこの弾幕をかわせるわけもなく。 ピピチューン! 「「う~~~~~~!!」」 紅魔館の一部とともに見事なまでに吹っ飛んだ。 紅魔館、原因不明の半壊 昨日未明、霧の湖付近にある屋敷、紅魔館が半壊するという事件が起こった。 住民からの取材協力を得られず、目撃者もいないことから、詳細は不明だが、最近紅魔館に頻繁に出入りしている、とある人間は「これは、お嬢様の輝かしい栄冠の第一歩に過ぎない。幻想郷を紅魔郷と改め、レミリアお嬢様が支配する日は、そう遠くないだろう」と、レミリア・スカーレットの関与を仄めかす発言をしている。 紅霧異変以来、大人しくなったかと思われた紅魔館だが、また何かしら騒ぎを起こすつもりなのだろうか? 少なくとも、博麗の巫女の世話になるようなことは、御免こうむりたいものである。 ーとある日の文々。新聞一面 「なかなか良い受け答えをするじゃない、○○」 新聞を片手にご満悦といった様子で、レミリアは言う。 「ありがとうございます。実はこれも計画の一つでして」 「計画?」 「結果を急いだために失敗した前回を教訓に、新しく計画を打ち出したのです。名付けて『スカーレットストライクバック』」 「ほう……」 果てしなく同レベルの、素晴らしいネーミングに、食い付くレミリア。 「こうして紅魔館の、そしてお嬢様の恐ろしさを世に広めるわけです。事実あのブン屋は、お嬢様を恐れてこんな記事を書いた。 これを他の者が読めば、お嬢様の恐ろしさを思い知ることになる。 そのうちに、すきまや巫女の方から、お嬢様に跪くことになるでしょう」 「……○○、貴方は本当に、なんて冴えているのかしら」 「恐れ入ります」 「人間にしておくのはもったいないわ。わたしの右腕になりなさい」 「……と、いいますと」 「貴方を眷族として、迎え入れてやろうというのよ」 「……お嬢様!」 最高の褒美に歓喜する○○。 「不肖この○○、どこまでも貴女の側でお仕えさせていただきます!」 後に⑨血鬼と呼ばれる夜王の眷族が、幻想郷縁起に掲載される、ほんの少し前の話である。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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vs レミリア -レミリア攻略wiki 要注意スキル スキル名 備考 デーモンロードウォーク 飛び掛るような軌道で高速で体当たりを仕掛けるグレイズ付きの打撃技。Bは1回、Cは2回攻撃する技中は接触判定が無く、近い間合いで出された場合はこちらを貫通する。後ろに大きく抜けられた場合は反撃は難しいが、近くで止まった場合は近Aからのコンボを決めることが可能。狩られるような位置で射撃を撃つ事の少ない妖夢相手の場合、固め中のグレイズ狩りとしての用途がメイン。B射やC射に反応してHJやダッシュしようとしたところを狙われやすい。特に端は注意花曇時は打撃による反撃がほぼなくなりローリスクのため連発してくることが多い。近距離の地上や低空で射撃を撃たないこと。近距離ガード時はC弦月で反撃しよう デーモンロードクレイドル 回転しながら斜め上に飛び上がる打撃無敵の打撃技。いわゆる昇竜。BとCの違いは上昇角度とヒット時の吹き飛び方向。Bのほうが上昇角度が鋭く、上方向に吹っ飛ばす主に起き上がりやリバサ、不利な技をガードさせた後等の切り返しで使用してくる。何気に高威力(C版LV0で1534)。ガードした場合背中側に落ち、意外と間合いが離れるので反撃時は注意打撃による固めの多い妖夢は特に割り込まれやすい。主な割り込まれポイントは妖夢AA→Aの間、妖夢JA→地上打撃の間、デーモンロードウォークガード後、レミリア3Aガード後(特にめり込んでガードした場合)等人によって使用頻度や反応が異なるので必要以上に萎縮する必要はないが、一度割り込まれたら頭の片隅に割り込みを意識しようまた、端を背負った状態でバッドレディスクランブルがセットされている場合、Bクレイドル→バッドレディのぶっぱなしOKな高威力コンボを狙ってくる可能性が高いので特に注意 サーヴァントフライヤー 魔方陣から複数の誘導弾を放つ射撃技。ホールドで発射数が増える。発生が遅い代わりに硬直が短く、弾とレミリア本体での同時攻撃を仕掛けることが可能主にダウンを取った後に出し、起き攻めに使用してくる。基本は中央側に起き上がって同時攻撃を回避するべきだが、レミリア側もそれを読んで、空ダでガード方向を惑わせてくるのでワンパは×無理にダッシュやHJで逃げようとすると相手のJA、J2Aに引っかかりやすいので逃げるのに十分なスペースがない場合はガードしてからその後の固めを抜けるほうがいい 要注意スペルカード スペルカード名 コスト 備考 紅符「不夜城レッド」 3 十字型の赤いオーラで周囲を攻撃する。レミリア使い定番のスペルカード。発生が早く(5F)、長い完全無敵時間を持つため、割り込み・対空・連続技とありとあらゆるところで使用される。連続技に使用されるのはある程度仕方のないことだが、JA・J8A空中ヒット等、通常ありえないようなところからも繋げられるため、セット時は相手の立ち回りに幅が出ることを覚えておこう割り込まれポイントはクレイドルとほぼ同じ。上空もカバーするため、高空から出っ放しの肘で突っ込むようなバレバレの行動は避けよう。ガード時の隙は大きいので割り込まれそうなポイントを覚え、誘って空撃ちさせられればベスト 夜符「バッドレディスクランブル」 3 高速で壁に張り付いた後、赤いオーラを身に纏いながら斜め下に向かってグレイズ状態で突進する。デーモンロードアローの強化版。壁に張り付くまで暗転しない突進速度が早く、判定が異常に強いためB弦月以外ではまず返せない。隙が少なく、ガード後密着状態になっても反撃できない。ヒット時は追撃可能で、4k~5kのダメージを奪われるまた、上空を通り過ぎるような軌道で出されるとめくりになることがあり、ガードすることにも注意が必要な厄介な技ぶっぱ推奨技なので出してくる場面は読みにくい。背中側の壁が近いほうが発生が早くなることは覚えておこうめくりかどうかわからないような位置の場合、立ちガードは厳禁。歩きになって自分から当たりに行ってしまう。しゃがみガードか、前ダッシュで走り抜けよう 立ち回り レミリアを相手にした場合、初見ではそのスピードに惑わされいいように翻弄されてしまわれがち。しかし実はダッシュおよび飛翔の移動距離が一定のため、細かい位置調整ができない。そのため、動きがパターン化しやすく、しっかりと動きを見ていけばついていくことは十分可能 また、往々にしてレミリア側のプレイヤー自身もレミリアの動きを制御し切れていないことが多い。前ダッシュJ2Aの後、当たらない位置なのに遠Aを出したりしているのはダッシュ速度が速すぎて出した後の状況確認が追いついていないからだこの辺りを意識すれば、レミリアの動きには意外と穴が多いことがわかってくるはず 遠距離の射撃は縦にグレイズして避ける。横飛翔でグレイズしながら攻撃しようとしてもまず潰される こちらが地上にいる場合、レミリア側は間合いによってHJ2AまたはJAA(中距離)・前ダッシュJ2A(近距離)・J6A(暴れ・HJ潰し、中近距離)などを使い分けて攻めてくる どの距離においても、強引なHJからの攻撃はあまりいい結果を生まないことが多い。相手は妖夢よりもスピードに優れるため、先出し以外では大抵負ける 中距離では縛が有効。相手のHJに合わせて出せばかなりの確率でカウンターが取れる。縛を意識した相手はHJ→前飛翔J6Aなどの行動に出るので、垂直ジャンプJAやB弦月で迎撃しよう 近距離だと縛が出る前にJ2Aでカウンターを取られてしまうので控えめにする。無理に逃げようとするとJ6Aで潰されるのでガードを第一に考え、相手の行動パターンを見切れたときはB弦月で割り込もう 近距離ではしゃがむ。姿勢の低い妖夢ならめくりJ2Aもスカしやすい。J2Aがスカったのを見たら立って遠Aで攻撃。しゃがみガードのまま2Aを出そうとすると3Aが出てしまい、相手の遠Aに負ける レミリアの固めは霊力削り能力が低く、スペカ無しではまず割られない。下手に暴れると相手の思う壺なので高めJ2Aや3Aガード後の2結界で逃げよう レミリアAAガード後はしゃがみガード。AAAの1段目誤ガード後、2段目がスカってこちらが有利になる 固め中におもむろに出してくるC射にはグレイズ狩りのウォークが仕込まれていることが多い。射撃への繋ぎが読めたら、C弦月→スペカで射撃を抜けながら攻撃しよう。ウォークを出されてもC弦月が勝つ 高めJ2A→J2B→J2Cの連携はJ2B→J2Cの間が連ガになっていない。HJから反撃を入れられればベストだが、前ダッシュで端から脱出するだけでも十分 妖夢2Aはレミリア近Aをスカしながら攻撃できる。高めJ2Aや3Aガード後など、密着で暴れる場合は2Aを使おう。2A→C弦月の連続技が出来ると大きなアドバンテージ 空中戦を挑む場合、できるだけ相手の上を取るように動く。上から被せるようにJAを出せば、レミリア側の先出しJ8A以外には負けない こちらが相手を端に追い詰めた場合、レミリアはガード仕込みジャンプ→8飛翔→6飛翔といった軌道で位置を入れ替えようとしてくることが多い。8HJでJ8Aを出せば、飛翔するレミリアを狩ることができる レミリアの空中前結界は移動速度・行動可能時間ともに速く、端に追い詰めた状態で妖夢JA→J6AorJ8A→射撃のJ6AorJ8Aに結界された場合、レミリアJ6Aが確定する。毎回入れ込みで同じ連携を使用しないこと 端で受身する場合は空ガ不可のレミリア2Aに注意。毎回最速で受身せず、ディレイを掛けたりダウンして移動起き上がりなどを使い分けよう 鬼門と考える人が多いのでは? 近距離では相手D2A、3Aが厄介。カウンターをとられるとそのままコンボ、スペカで大ダメージを貰ってしまう。 迂闊な飛び込みJAも2A迎撃の的になりやすい、キチンと射撃と攻めこむか、空中でのディレイ行動、2Bなどを撒いて行動を絞らせないように頑張りましょう。相手には2B、2Cでの迎撃もあるので難しいところではある 中距離ではデーモンロードウォークで飛び道具潰し、暴れつぶしをしてくる、B射やj6Aも怖い、遠距離ではサーヴァントフライヤーを追いかけてからの攻めが激しい。サーヴァントを避けるならダッシュよりもHJが安定 相手の中距離での安易な射撃には縛を差し込めると吉。LV1にしていればレミの全射撃貫通するので状況を見てしっかり刺していこう 相手の対空に打撃無敵があるものの空中戦をしかけるのもいい。その場合相手J2Aカウンターには注意。 無敵昇竜、グレイズ技、特殊な軌道のダッシュと選択肢が多く、全キャラでも特に起き攻めをしづらい相手。とりあえず2Cをまいて昇竜を防いでおくのが無難か? ダッシュ一点読みJAも選択肢の一つとしてちらつかせるのも良い アローはガードすればダッシュ近Aなどが確定するが、着地キャンセル不夜城には気を付けて。心抄斬があれば着地前に刺せるのでスペカキャンセルも無力。チキガ JA~も狙ってみよう
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+目次 特徴スペック 説明 長所 短所 技クロー ヴァンパイア グングニル 立ち回り戦法 サバイバル キング チーム考察 キャラ対 特徴 スペック 体力 ディレイ 移動量 80 1 2 説明 今作最強キャラ。 はっきり言ってチームに入れないという選択肢が無い程に強い。 今作のどのキャラよりディレイが速いため、どの攻撃も避けることが出来る。 「グングニル」は、このゲームにおいて最も優秀な技と言っても過言ではないだろう。 このゲームでは確実にダメージを与える機会と言うのは少なく、10~20ダメージを与えていくのが鉄則である。 だがしかし、レミリアは「グングニル」は確実に60ダメージを与えられ、なおかつ自分は10~20ダメージをも回避が出来る。 体力は少なめだが、回復技の「ヴァンパイア」のおかげで生き延びやすい。 とにかく技と自身のスペックの強さと噛み合い具合が良い。逃げに特化しており、長期戦になればなるほど有利になる。 弱点は範囲技がないこと。大勢に追い詰められると対処しきれず負けやすい。 なお、ステージ「魔法の森」の水入ると移動が一切出来なくなるという仕様を抱えている。 長所 確定で大ダメージを与えられる どんな技でも移動が出来れば避けられる 体力回復技を持ち、生き延びやすい かなり遠くから攻撃が出来る 移動量2なので逃げやすい 相手の移動より速く移動出来るので、衝突して移動が制限されることがない 短所 体力が少ない 範囲技を持たない 技の燃費が良くない どのキャラより速く移動出来てしまうため、移動距離が制限されてしまう 技 クロー 威力 ディレイ SP 段差 10 1 5 × 普通の近接技。 移動後でもパチュリーには確実にダメージを与えられる以外は他の近接と差はない。 基本トドメ用。 ヴァンパイア 威力 ディレイ SP 段差 20 2 20 × ダメージを与えた時、自分の体力を10回復する能力を持つ。 ゲーム中唯一の回復手段。 少なめの体力を補えるため重宝するが、燃費は良くないのでグングニルを撃つ機会は減る。 グングニル 威力 ディレイ SP 段差 60 1 60 O レミリアを代表する技。 射的、威力も優秀だが、極めつけはディレイの速さ。 止まって撃てばレミリア以外のキャラの移動より速く撃てる。 立ち回り 戦法 基本は相手との距離を保ち「グングニル」を撃つのが仕事となる。 序盤は混戦状態の場に向かって「グングニル」1発。 中・終盤は他の味方で追い込んで「グングニル」を放つのが理想的な立ち回り。 近接はあまり得意ではないので、追い込まれる前に逃げるのが吉。 サバイバル キング レミリアはキングの適正が非常に高い。 相手のレミリアの「グングニル」や近接技を避けれることが出来て生き延びやすいためである。 むしろレミリア以外は「グングニル」を避けることが出来ないので、キング役はレミリア以外難しい。 戦法はいつも通り後方がいいが、グングニルを撃つ際相手が移動してグングニルを撃ってくるのが怖い。 安易に撃つとグングニルの餌食となるが、むしろ避けることが出来れば次ターン安全に撃てる。 ここらへんは読み合いとなるだろう。 チーム考察 アリス 前衛に上海人形を置くことにより、相手の移動を制限することが出来る 更に、生成した上海人形に「ヴァンパイア」を当てることにより、確実かつ安全に体力回復が行える ヤマメ 糸に引っ掛けることによって、次ターンに確実に「グングニル」を当てることが出来る 熱病も当てれば合計100(「ウェブ」が当たっていれば105)ダメージなので、どのキャラクターでも倒すことが出来る キャラ対 霊夢 説明 魔理沙 説明 アリス 説明 レミリア 説明 咲夜 説明 にとり 説明 パチュリー 一番楽 移動後も「グングニル」が当たるので簡単に大ダメージを与えられる。 パチュリーの移動量は1なので射程内からはずれることもない。 後は味方の適当な範囲技を当てれば勝てる。 天子 説明 ヤマメ 説明 紫 説明
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レミリア レミリア画像
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《レミリア・スカーレット(れみりあ・すかーれっと)/Lemiria Scarlet》 アイコン ゲスト 性別 女 年齢 不明(見た目は中学3年生くらい?) 種族 吸血鬼 職業 娼婦 常備品 紅い宝石が付いたステッキ 武器 ??? 紅魔館のレミリアと同姓同名の吸血鬼(英字のスペルは違う)、地球の激動戦乱の時代のフランス出身であり信心深い修道女の姉がいたという…。現在は混沌世界に移住し娼婦などをしながら生計を立て暮らしている。吸血鬼としては特別な存在であり十字架や日光をまったく恐れない。日光を恐れない理由として、ステッキについている紅い宝石『アテンの憎悪(なみだ)』の影響もあるだろう。アテンとはエジプトの太陽神の一柱であり、夕日を神格化したした神である。あまり信仰もされず神性も薄れ、神としての意義がほとんどなくなったアテンの恨みそのものが宝石の形になったもの。レミリアはとある契約を果たしたことによりこの宝石を手に入れ太陽の力を味方につけたとされる。ステッキを利用しての魔法や杖術・体術はお手の物、しかしこれ以上の奥の手もあるようだが…? そんな彼女の住んでいるところだが、紅魔館とは正反対である。大きくもなければ小さくもないタダのボロ洋館でメイドもいなければ門番だっていない地下牢も図書館も存在しない。そんな中で彼女は死んだように眠り日々を過ごす。基本的に男は軽蔑しているが、それでどうこうしようというような気はないらしい。 テーマ曲 戦闘BGM 吸血鬼にいたるまで +... 時は西暦1300年代、激動のフランス。 フィリップ6世、エドワード3世は我こそがフランスの王位継承者と高らかに上げ戦争を起こした。 後に有名な『百年戦争』の始まりである。戦火は付近の小さな村や町にまでおよび兵士だけでなく罪のない人々の血と怨嗟、そして神々への届かぬ祈りでフランスは満ち満ちていた。そんな中、レミリアは歳が5つ離れた姉と共に町で暮らしていた。両親は5年前に他界し、姉は神に仕える身、生活は貧しく食べ物もロクに買うことが出来なかった…それでも、姉との生活は幸せだった。姉は誰よりも優しくレミリアにとっては天使か女神に等しい存在だった。しかし、現実は無情にも二人を飲み込んでいく。侵略軍が町に押し寄せ、町の人々を次々に殺していった。農家も、商店も、家も次々と焼かれ人々は蹂躙されていった。レミリアと姉は教会へ逃げ込んだ。しかし、ここも見つかるのも時間の問題。教会に逃げ込んだところで隠れるところはほとんどない。姉はせめて妹だけでもと思い、レミリアを教会の教壇の床下に隠した。レミリアは泣きながら、いっしょに隠れようとしがみついた。しかし、姉は妹の無事だけを考え、レミリアを一人床下へと隠した。そして、運命の時、血と欲に飢えた侵略軍の兵士が教会へ入ってくる。姉を見つけるなり、奇声をあげ姉に襲い掛かる。レミリアはただ床下で怯え目を瞑り神と姉の無事を祈るしかなかった。嫌な音が聞こえる…聞きたくない声が聞こえる…。現実とは非常なものだ。一人の兵士が…教壇を蹴り上げ床下へ通ずるその扉となる蓋を見つけ、レミリアを発見したのだ。不安と恐怖で半狂乱に叫び逃げようとするが、力の差は火を見るより明らか…力の強い男とか弱い乙女、いとも簡単につかまってしまう。引きずり出されてレミリアが見たもの…それは大好きな、それはもう大好きな姉の変わり果てた無残な姿だった。修道服は乱れところどころ破け仰向けに酷い有様で倒れ死んでいる姉だった。泣き叫んだ、姉のあられもない姿に、姉の死に、深い傷と悲しみ、そして男への偏見をその身と心に焼き付けた。レミリアはその場では殺されなかった…侵略軍が強奪した物資とほかの少女たちを乗せた馬車に乗せられ、城へと連れて行かれたのだ。あぁ、町が燃えている…大好きな姉と暮らした町が…大好きな姉と通った教会が…目に光はなく虚無だけが残った瞳で馬車から町をただただ見ていた。 城へ連れて行かれ、地下牢へと全員が入れられた。すぐに理解できた…自分を含め、ここにいるすべての少女たちは、あの兵士(おとこ)共の慰みものとなるのだろう…と。 連日連夜、兵士(おとこ)共の欲望と穢れにより少女たちは何度も何度も染められた。助けも来ない、祈りの声も届かない。力もない…。 すべてが諦めと絶望に打ち菱がられたレミリアが見た果て…それは、なんとも甘く悍ましい誘惑であろうか…。 『力が欲しいか?』 心の中に響く声、男か女かもわからない。それでも何度も呼びかけてくる。 『私は----』 少女が選んだ決断。負けない強さ、どんな力も組み伏せる圧倒的な力、絶望さえも打ち破る生命力…。 その決断の証として手に入れたるは、魔性の翼と一本の槍。 その後、その城とレミリアがどうなったか…それは歴史には記されていない。 関連ページ NOAH 祇陀 関連画像 キャラクター紹介へ戻る|キャラクター紹介 【ゲスト④】へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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キャラ名 HP 攻撃 防御 知力 射程 速度 特技 パワーゲージ スペルカード レミリア 750 85 85 80 5 3 カリスマ 治癒 バラマキ 6 吸血鬼のカリスマ スペル効果 一定時間、範囲内の味方パーティの攻撃力・守備力を上昇させる。更に通常攻撃で敵パーティにダメージを与えるたびに、HPが回復する。 スペル詳細 攻+60 守+? ダメージの2割程度回復 効果時間:9+知力*0.15c 紅魔館の主人であるわがままお嬢様。幼い外見とは裏腹に五百年近くの齢を重ねる吸血鬼であり「紅い悪魔」と呼ばれ恐れられている。 編集Ver:1.2.6 考察 紅魔館の当主がカッコイイ全体強化を持って堂々の参戦。 30コストを感じる特技3つに高めのステータスだが、やや30コストにしては脆さを感じる。 また全体強化持ちでありながら3速と「30コストで3速か…」感は否めない。 肝心のスペルカードであるが、攻撃と守備が上がり更に回復ができるというもの。 効果時間も最低知力で組んでも23cと平均的な長さを持つと言える。 しかしそんな彼女のスペルには問題がいくつかある。 まずはその回復の程度であるが、与えたダメージの2割程度とあまり期待できるものではなく、攻撃と守備の上昇値もマイルド。 拠点ダメージを相殺する程度の回復量なので、相手拠点で粘るには丁度いいのだが火力もないのでどっちつかずで終わることが多い。 また範囲も3つの全体強化の中で一番使いにくく、防衛部隊を下げながら前に出ようとするとすぐ前後ではみ出る横幅が操作量を増やす。 また中央の拠点から上下の拠点に範囲が届かず、守りでも使いにくいのはかなり響く。 いかに部隊を丁寧に運用し、多少減ったHPでも攻めれる利点を活かすかが鍵となるだろう。